正倉院は東大寺の大仏をお建てになった商務天皇ゆかりの品を中心に、国宝、重要文化財など貴重なものや文献がおよそ9000点も収められております。
中の品物っていうのは、納めっぱなしじゃなくって。はい。1年に1度、10月から11月にかけて扉の封印を解いて、点検や防虫剤の交換などが行われるそうです。
その中から状態の良いものなどを数十点選んで、期間限定で一般公開するという催しが正倉院展でございます。はい。
今年は先週26日土曜日に始まりまして、11月11日だから再来週の月曜日まで開かれると いうことで、
あんまり長くないんですよ。普通の展覧会のイベントじゃないんで、 早速行ってまいります。急いで行ってきました。はい。会場は奈良公園の中にあります、奈良国立博物館です。近鉄の奈良駅からね、東へ若草山の方へ歩いて15分ぐらいなんですけど。はい、
道中、 鹿がいっぱいいるんですよ。そうですね、可愛いんですけど、もうせんべい目当てでぐいぐいくると歩道はふんでいっぱいということで、もうすり抜けながら歩いて到着しました。
入場は30分刻みの日時指定チケットというものを買って入るんです.あらかじめ、私も事前にローソンチケットで買った入場券を握りしめて列に並びまして、会場に入りました。
さすがに館内はお客さんでいっぱいだったんですけども、やっぱ日時指定のおかげだと思います。観覧そのものは比較的スムーズで人混みで見られないとかじゃなかったです。
主役のお宝でございます。 毎回違うんですけども、
今回どんなものが展示されているのか、目玉と言われている品から3つピックアップ
その1が、黄金瑠璃鈿背の12陵鏡、舌を嚙みそうなんですけど、要は鏡なんです。
写真撮れなかったんで、絵ハガキで 見ていただいてます。これは直径20センチ弱の円形の鏡です。はい、表面がつるつるで、裏面が飾りがついたこの派手な形になってるん。絵はがきに載ってるのは、派手な裏面の方ですね。
公式ホームページにも大きく出てますけども、古来、鏡というのは権力の象徴でございます。はい、3種の神器の1つにも鏡があります。
奈良時代に作られたと言われてるこの鏡は、 当時考えられる限りの豪華な飾りが施されてます。やっぱり日本で1番偉い人が持ってた鏡なんで、これでもかっていう感じなんですよね。
12陵鏡って言います。鏡の裏面は12枚の花びらが
お花が開いたような形に配置してあります。これね、銀 の薄板に黄色、緑、深緑の湿宝の有薬が焼き付けられてまして、その上で黄金、金の縁取を付けてるという、 なんかもうドバイの石油王かっていうぐらいな豪華な仕立てなんですが。はい、なんて言うんすかね、決してケバケバしく
下品じゃないんです。派手でも、うん、不思議にしっとりとした趣があって、 やっぱ気品があるなって思いましたね。このバランス感覚。豪華にするけどちゃんと品は保つっていうところが、 古来からの日本の美意識なのかなという風に思わされました。
この職人さんの。はい。
センスがすごいってことですよね。そういうことですよね。
デザイナーさんじゃない職人さんか。いや、
まさにそういうことだと思います。で、技も素晴らしいということです。
その2。あの、絵はがきをめくってください。
瑠璃魚形、ガラス製の装身具です。
あ、これかわいいよ。
めちゃめちゃ可愛い。これ、57件今回展示品があるんですけども、最も可愛らしいのはこれですよね。
お魚の形をしたガラス細工なんですよ。黄色、青、緑、深緑、4色の色ガラスを長さ6、7センチほどの小魚の形に削り出したものだそうです。
これ、穴が開いてましてね、目とか口みたいなのに紐を通して、腰とか首に下げてたそうなんです。
えー、かわいい。
これ、そもそも中国では。はい、身分証明書、 IDカードの代わりだったそうです。つまり、これを下げてることによって、宮中の深いところまで出入りができたとか、そういうためのものだったらしいんですが。はい。奈良時代の 日本では、転じて身分の高い方のアクセサリー。おしゃれ用だったし、
これ、わかります。現代人でも、ちょっとブローチとかネックレス、こういうお魚の可愛らしいの、今日まりこさんワニくんつけてますけど。なんかそういうセンスみたいな もの。現代人にも通じる部分があったの。これちょっとつけてたら可愛いやみたいな。
このお魚もこの時代でもつけたいです。でしょ。ピアスになってもかわいいやろ。
これちょっとサカナクションさんどうですか。みたいなね お、グッズとしてどうですか。ぐらいの。本当に可愛い。言われなければ正倉院の品ってわからないぐらい現代的なデザインにも通じるものがありますよ。
めねっちゃラインがすごい可愛らしい癒し系のラインしてますね。ボディ
らいでやっぱりこれ人気がありまして。ミュージアムショップ、売店ではですね、この図柄の箸置きとか、あとイラストにした靴下なんかがありまして、よく売れてました。女性の方がたくさん買われていました。これ、そっくりレプリカはないんですかね。ガラスの。あるんだよ。あんの。
ほしいわ。売店にはないんですけど。実は今回の正倉院展で。はい、こうした宝物をCTスキャンとか最新の技術で分析して。はい、材料から作り方まで、当時そのままをなぞったレプリカ品っていうのも並んでるんですよ。これ、何のために作るかっていうと、
さっき言いました昔の職人さんの技術とか、より詳しい研究のためにやるんですよ。
それを再現することによって、当時こんなに高い技術があったのかとか、こういうものが用いられたのかっていうことを科学的に、そして歴史的に分析する研究のためにやってるんですけど、ガラスもありました。
溶かしてからこの形にするんじゃなくて、色ガラスを削り出したっていうことがわかってるそうです。
3つ目でございます。これも実はレプリカ品がありました。
紫地鳳形錦御軾。 これ何かって言うとね。はい、聖武天皇が使ってらした肘掛け用のクッションなんですよ。
はあ、はあ、。長さおよそ90センチの長方形をしてます。
肘を置いたらちょうど気持ちよさそうに体を持たせかけられるようなサイズと大きさでございます。
これ、実際使ってはったん。そうなんです。
だから、多分今回の正倉院展の中で1番聖武天皇の近くにあった品がこれじゃないかなと僕は思ってるんですけど、すごい。これね、よく見ると、はい、 肘を置いた時にちょうどしっくりくるように、こう、上のところが微妙に盛り上がってたりとか、はい、側面見ると微妙にカーブしてたりとか、うまいこと作ってあるなという風に感動しました。
錦ってタイトルにありましたけども、表字の布は赤を基調に金色などの絹糸を贅沢に使ってあり。すごいよ金が。
これはもう日本で1番偉い人の肘掛けですから、もうここは豪華にしようっていうことなんですが。そもそもです、
正倉院の宝物というものは、聖武天皇がお亡くなりになった後、奥様の光妙皇后が 亡き夫の愛用の品々を東大寺の大仏様に捧げたいと納めさせたのが始まりだそうです。大仏、聖武天皇が建立されました。まさに聖武天皇の分身と言っても過言ではないと思うんですけども。
愛してるね。夫が亡くなって、愛用の品々を、蔵に入れましょうか。ちょっと待って。
なんか変な箱とかに入れんといてよ。ささげる貴重な品を納めた美しい箱に入れて大仏様に捧げたいの、私。大切な品だから、愛した夫のものだからって。
正倉院が始まったのは、夫婦愛の賜物でもあったんですよね。
だから、そういった意味で言うと、 1番近くに置いておられたこのひじ掛けっていうのは、ある意味最も正倉院らしい宝物の1つかもしれんなと感じました。
内部はイネ科のマコモという草を束ねた上で、クッション材として真綿を詰めてあります。これ、分解したわけじゃなくて、さっきも言いましたCTスキャンなど最新の技術で分析した結果だそうです。
面白いですね。やっぱりこれもそっくりのレプリカ品が作られてまして。うん、 見た目ね、区別つかないんですよ。よくぞここまで再現したなっていうぐらい、
レプリカ見ただけで感動するんですけども、逆に言うと、今の日本の最新技術と同じぐらいの技が奈良時代当時すでにあったということがわかると いうことなんですよね。この他にも貴重で興味深い品々が多数あります。
第76回正倉院展、 奈良国立博物館で今月11日月曜日まで開催です。お休みの日 休館日はないんですが、数えたら今日を含めてあと10日間しかないんですよ。お急ぎください。いや、本当に興味のある方、公式ホームページチェックの上、そこから早めにチケット押さえていただきたいと思います。
ずっと混んでるわけじゃなくて、 平日の午後から夕方は割と空いてるらしいです。あと ナイト観覧だったかな。うん。夕方の遅い時間に入るとちょっと割引もあるので、詳しいことは公式ホームページ見ていただくと載っておりますので、チェックしてください。