万葉集を超現代語訳したその名も「愛するよりも愛されたい」

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最古の歌集として名高い万葉集でございますけれども、万葉集というだけでなかなか難しそうやなとか、やっぱりこう世間一般のイメージとしてはちょっとって気が引けちゃうところってあると思うんですけれども。でも、そんな印象をもうほんとに変えてしまうという本があるんです。万葉集を超現代語訳したその名も「愛するよりも愛されたい」。これが本のタイトルですよ。万葉集をすでに愛するよりも愛されたいといったこと自体がすごいなって思ったんですよね。

なんとこの本が売れない時代に10万部を突破しているという本なんです。今でも本屋さん平積みやもんね。そうなんです。積み上がってるので、是非、皆さん、本屋さんに行って頂きたいんですけれども、内容は完全な万葉集なんです。でもこれ、

なぜそんなに売れてると思いますか?

ただ、万葉集を現代語訳しただけではないというところがやっぱりポイントなんですけれども、著者は佐々木良さん。という方でして、これ、現代語訳をする時に言葉遣いのお手本としたのがギャル雑誌。これがポイントなんですね。

万葉集というのは、4500種以上の和歌が全20巻におさめられているわけなんですけれども、まあ難しく考えがちですが、歌われている歌のほとんどが恋歌。恋愛に関する歌なんですね。不倫、失恋、片想い、恋の形は違っていますけれども。でも恋する気持ちというのは、今も古代も一緒なんだっていうのが私、それが万葉集が好きな理由なんですね。

昔の人も同じ気持ちだったんだな。それはまあ、5・ 7・ 5・ 7・ 7の31文字。で表現したと言うだけであって、この31文字が現代で言う所のSNS、 lineでのやり取り、この短い短文投稿に似ているのではないかというところから、そういう訳をしたということなんです。

さあ、今日は万葉集ということでお送りしているんですけれども、巻4、527番の歌をよく聞いてくださいね。

「来むと言ふも 来ぬ時あるを 来じと言ふを 来むとは待たじ 来じと言ふものを」これパッと聞いたらわからないんですけれども、これは超有名な女流歌人、大伴坂上郎女(おおとものさかのうえのいらつめ)の歌で来ると言っても来ない時があるのに来ないっていったんだから来るって期待しないで待つのはやめようっていう歌なんですね。来ないって行ったんだからって言うたなんですけれども、これは実はプロポーズをしてくれそうで、してくれない。ちょっとこうやきもきしている女性の歌なんですね。これを佐々木さんの超訳にしますと

「くんのかい? こんのかい! こんの? くんの? いや こんのかい!」

っていうこれが私、素晴らしいなあと思ったんですよ。すごいね。すごいでしょう。こういう訳になったらちょっとこう読む気になります。万葉集って面白いなあ。ここでまたちょっと吉田裕

君の顔とか浮かんでくるそうなんですよね。吉本新喜劇につながっていくということなんですけれども、そういったこと吉本新ギャグをすごいな、くんのかい けえへんのかいって、そうそう そうなってくるていうね。でもそこからやっぱりこの佐々木さんがヒントを得て、こういう訳にしたっていうのもすごい。

でも、本当、プロポーズを待っているというその説明がちゃんと書かれているのでね。成り立っているんですけれども、

続いて巻11、2635番の歌でございます。「剣大刀身に佩き添ふる大夫や恋といふものを忍びかねてむ」。これわかります。剣というのは、まあ、剣とか刀で無敵の装備をしている丈夫(ますらお)まあ、強い男の人なんですけれども、でも恋って言うやつにはかなわないんだなーっていう男の人がちょっとカッコつけてる歌なんですね。あー、なるほど。いろんな装備を持ってるよ。俺、刀だってすごいよ。剣だってあるよ。でも、恋ってやつにだけはちょっと勝てないんだなぁっていうね。なるほどね。これを佐々木さん風に超訳しますと

「俺はりりしい剣士。なんでもぶったぎってやるぜ。くっ切れないなんだこれ?ああ、恋か?」

かっこよくない、いいでしょうね。何でもかんでもやっつけられる男の人なんですけれども。でも恋というものだけはコントロールできない。自分だけではなんともならないっていう気持ちを表している。歌っていいよね、万葉集って、これがやっぱりね、今の人と私達と全然変わらないなって思う一つなんですよ。

覚えてます。前なんかセンターでちょっと喋ったときに俺も素敵な恋をしたいなあって言ったら「気持ち悪いやめてよ」。そんな一刀両断にしました?。私の持つ剣は強いですよ。すみません。

巻7の1264番の歌です。「西の市に ただ一人出(い)でて 目並べず買ひてし絹の 商(あき)じこりかも」 これね市場に行って絹買ってきた男がいたんですね。家に帰って見てみると、思っていたのとちょっと違うと悲しんでいることなんですが、実はこれ、ナンパした女性を。絹に例えているんです。すごく失礼なんですけれども、なるほど。これを佐々木さん流に超訳しますと

「奈良ファミリーで 美女ナンパ マスクとったら まじバケモン」

っていうすごい凄いなこのや失礼などうなんです。でも、この歌自体がそういう女性と絹をイコールにしていて買ってきたけど。ちょっと失敗したなって言う歌だったっていう。これも万葉集の面白みでございます。そうですね。

巻11の2414番の歌 恋ふること慰めかねて出でて行けば山を川をも知らず来にけり」、これは恋に悩んで勢いで家を飛び出して山や川を越えてきた男性がはっと我に返ったんです。いろいろ悩んだんです。恋についてでも飛び出してパッと気がついた時。 

佐々木さんはこう訳しました。

「えっ、ここどこ?」

すごいでしょ?恋に悩んでたんですよ。勢いで家を飛び出した男性が我にかえってハッと えっ、ここどこ?なかなかの訳ですよね。この面白みがこの愛するよりも愛されたいのもうこれはね本当にポイントだと思いますねぜひお手にとって読んでみてください。

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