5月8日、ついに新型コロナウイルスの分類が「5類感染症」に移行することになりましたが、これによって一体何が変わるのでしょうか？
療養期間も “個人の判断 “
自己負担額はいくらになる？
ワクチンに空白期間
以上の3点について、詳しくレポートします。
季節性インフルエンザと同じ扱いになる、5月8日に移行
5月27日、厚生労働省の感染症部会は、ゴールデンウィーク明けの5月8日に新型コロナウイルスを「5類感染症」に移行することを正式に決定しました。
現在、新型コロナウイルスは、重症化する危険性が高く、感染力が強い「結核」などに相当する「二類感染症」に分類されています。日本で新型コロナの発生が始まってから約3年が経過し、大きな転換期を迎えています。つまり、いよいよ “アフターコロナ “の生活がスタートするのです。
「緊急事態宣言」「感染拡大防止対策」…発令せず。
では、5類になると、具体的に何が変わるのか、詳しく見ていきましょう。まず、行動制限が行われることになります。これまでは行政が判断していましたが、個人や企業が自分で判断する仕組みに変わります。
これまで何度も出されてきた「緊急事態宣言」「まん延防止措置」に加え、「感染者及び濃厚接触者に対する外出自粛の要請」ができなくなるのです。
また、感染者の療養期間については、従来は「発症の翌日から7日間外出を控えること」とされていましたが、5月8日以降は「5日間外出を控えることが望ましい」とされます。登校停止期間も同様ですが、5日経過しても症状が残っている場合は、症状が改善してからさらに1日経過することが求められます。
医療費は自己負担となります。最大いくらになる？
次に、医療機関について見ていきましょう。現在、新型コロナの症状が出た場合、感染症指定医療機関や発熱外来を受診する必要があり、入院できる病院は限定されています。しかし、5類になるとすべての医療機関で一度にすべての症例に対応できるわけではないので、段階的に病院の数を拡大していくことになります。
医療費も変わります。これまでは検査費用や感染発覚後の治療費、入院費などはすべて公費で賄われていましたが、5類になると他の病気と同様、自己負担が必要になります。では、どれくらいの負担になるのでしょうか。国の試算では、保険適用の患者さんが窓口で3割負担した場合、外来医療費は最大4,170円になるそうです。
しかし、患者さんの負担が急激に増えることを避けるため、今年9月末までは高額なコロナ治療薬を無償で提供することになりました。同様に、入院費が高額になる場合は、月額2万円を上限に負担を軽減することにしています。その後、感染状況などを見ながら、こうした措置を継続するかどうかを検討する。
ワクチンの無償提供はいつまで続く？ 3回目以降は「接種できない」期間もある。
次に、ワクチンについて見ていきましょう。現在、誰でも無料でワクチンを受けることができ、5月8日以降も無料で受けることができます。現時点では、来年3月末までは無料で接種できることになっています。
ただし、5月8日から8月頃までの約4カ月間は、3回目以降の接種ができる人が、高齢者、基礎疾患のある人、医療従事者に限定されることに注意が必要です。そのため、これに該当しない方が3回目以降の接種を希望される場合は、5月7日までに接種していただく必要があります。接種券をご確認ください。ただし、9月以降は、どなたでも再度接種できるようになりますので、ご安心ください。
さらに、連日お伝えしている新規感染者数の発表方法も変更になります。厚生労働省はこれまで毎日、新規感染者数を発表していましたが、5月からは毎日ではなく、週に1回、金曜日のみ発表することになりました。最初の発表は、5月19日（金）を予定しています。この週1回の発表をもとに、感染対策について個別に判断できる世の中になったのです。
5類への移行に伴う変化について、皆さんはどのように受け止めていますか？調査機関「アイスタット」が4月に実施した調査によると、「今後、有料でも接種する」と回答した人は17.4％と2割弱にとどまりました。無料なら受ける」と答えた人は52.3％と半数を超え、「有料の有無にかかわらず受けない」と答えた人は30.3％でした。
実際、コロナ禍で定着した感染対策で、今後も続けてほしいものを聞いたところ、「希望者には無料でワクチンを接種する」が43.0％と最も多い回答だった。
また、誰もが気になるマスクに関する興味深い調査結果も出ています。マスク着用が自己流になってから約1カ月半が経過しましたが、いまだに「常にマスクを着用している」人は38.0％、「状況に応じて着脱している」人は56.7％と半数を超え、「常にマスクを外している」人はわずか5.3％。マスクなし派」は全体の1割にも満たず、まだまだマスクを手放せない人が圧倒的に多いことがわかります。
また、「他の人がマスクをしていないことが気になりますか」という質問には、「いいえ」が49.7％、「そう思う」が19.0％と、2割近くの人が他の人のマスク着用状況を気にしていることがわかりました。感染状況がだいぶ落ち着いてきたとはいえ、人それぞれ事情や価値観が違うので、お互いに尊重し合いましょうね。
まとめ
クラス5への移行に先立ち、29日から水際対策が緩和され、いよいよ日本は本格的にポストコロナの時代に突入します。私たちも、この3年間で得たさまざまな教訓を生かし、新しい日常を快適に過ごしていきましょう。
(2023年4月28日16時30分頃放送のnews every.「知りたい！」から。
