旅行先を訪れると、様々な土産物が目に入りますね。お菓子やおもちゃ、民芸品など、地域ごとに個性的な品々が並んでいます。これらの土産物は、観光地の収入源としても重要な役割を果たしています。今回は、北海道の伝統工芸品に焦点を当ててみましょう。
北海道には独特の文化と歴史が息づく多種多様な伝統工芸品があります。アイヌ文化に根ざした工芸品から、地域特有の素材を活かした品々まで、その種類は豊富です。観光地としても知られる北海道ですが、その魅力は自然美だけでなく、これらの伝統工芸品にもありますよ。
木彫りの熊
北海道を代表する伝統工芸品といえば、木彫りの熊です。かつてはよく見かけたこの熊は、尾張徳川家の当主であった徳川義親が大正時代にスイスのベルンで購入したものです。その後、北海道二海郡八雲町にある「徳川農場」で農民たちやアイヌの人々に冬期の収入源として木彫りの熊を生産するよう勧められました。昭和3年には八雲の開墾50周年を記念して熊彫刻展覧会が開催され、八雲の木彫り熊は広く知られるようになりました。
一方、旭川市ではアイヌの松井梅太郎氏が昭和元年に木彫りの熊を制作したことをきっかけに、生産が盛んになりました。かつては北海道の定番土産として人気を博していましたが、現在ではテレビの薄型化などの影響で「置き場がない」という理由で贈り物として選ばれることは少なくなり、職人の数も減少しています。最近では、木彫りの熊に代わってフクロウや食器、アクセサリー、小物類が人気を集めており、実用性のあるアイテムが求められているようです。
アイヌ工芸品
北海道沙流郡平取町二風谷地区には、アイヌ文化の発祥地である二風谷アイヌ文化博物館があります。ここではアイヌの方々が住んでいた家（チセ）、家を建てる前の儀礼、アイヌの古代舞踊、生活用具、工芸品が展示されています。
博物館の詳細情報です：
- コンセプト: アイヌ文化を正しく受け継ぎ、未来へと伝えることを目指しています。手作りの民具や工芸品が、時を超えて語りかけてくる場所です。
- 展示ゾーン:
- 人々の暮らし: 衣類や狩猟道具、祭具などの資料を展示し紹介しています。
- 神々のロマン: ユカㇻ（英雄叙事詩）の映像など視聴覚資料も充実しています。
- 大地のめぐみ: アイヌの伝統を伝える山野と集落の景観を紹介しています。
- 造形の伝承: 復元したチセ（アイヌの家屋）など、アイヌの暮らしと文化を学びます。
- 体験学習: 木彫や刺繍、講話、舞踊、ムックリ演奏など、実際にアイヌ文化を体験できます。
- 周辺観光ガイド: 博物館周辺にある施設や観光スポットも紹介されています。
- 交通アクセス: 車や公共交通機関でアクセスできます。
詳細な情報は、公式ウェブサイトをご覧いただくか、直接博物館を訪れてみてください。アイヌ文化に触れる素晴らしい体験が待っています！
工芸品の中でも、「二風谷イタ」（お盆）と「二風谷アットウシ」（樹皮で作ったもの）が注目されています。まず、「二風谷イタ」は木製の浅くて平たいお盆で、アイヌ文様（渦巻きやうろこ型）が彫られています。シンプルで落ち着いたデザインが特徴です。一方、「二風谷アットウシ」は木の内皮の繊維を使った織物で、普段着用の反物として織られています。晴れ着には刺繍が施されており、木の繊維や鮭の皮を糸にして織る工夫がされています。自然の資源を活用して生活用品を作るアイデアは素晴らしいものですね。自分の住んでいる地域の自然の中にある物を使って生活用品を作っていくことを思いつくってすごいですね。
今の時代、物がたくさんあるからお金を出せば何でも買えることしか思い浮かばないですが昔の人は、身の回りを見渡し使えるものは工夫して使うことが普通のことだったんですね。
優佳良織：色彩と四季の魔法
優佳良織は、染色作家の木内綾さんによって創作されました。アイヌの民芸品ではないものの、その美しさは際立っています。材料には羊毛、一部にあや（亜麻）、絹が使用されています。一つの大作には、200から300色の糸を組み合わせ、北海道の四季を鮮やかに表現しています。実用的な着物や財布、生活雑貨にもこの織物が使われており、その色彩は多くの人々を魅了しています。最初のころは、ユーカラ織と言われていたが１９８０年代に版画家の棟方志功氏によって優佳良織と名付けられたそうです。
優佳良織は、私たちに自然との調和、四季の美しさ、そして工夫の大切さを思い出させてくれます。一つの大作には、２００から３００色の糸を組み合わせ北海道の四季を鮮やかに油絵的な織りを完成させている、実用重視の着物や財布、生活雑貨などにも使われています。
色がすごくきれいであこがれていて いつか一つ自分のために使ってみたいです。
北海道を訪れる機会があれば、ぜひ優佳良織を目にして、その魅力に触れてみてください。ただし、旭川市の優佳良織工芸館は現在休館中かもしれませんので、事前に確認してくださいね。
伝統工芸品の購入について
北海道の伝統工芸品は、観光地のお土産店や公式ウェブサイト、伝統工芸品を取り扱う専門店などで購入が可能です。手に取ることで、その地域ならではの歴史や文化を感じることができるでしょう。また、お土産としても喜ばれますよ。
北海道の伝統工芸品は、地域の自然や文化を反映した素晴らしい作品ばかりです。次回北海道を訪れる際には、ぜひその地域の伝統工芸品にも注目してみてくださいね
コメント