命にかかわる…? パンケーキ症候群」: ダニが小麦粉に侵入…。加熱してもダメ、密封してもダメ。
ホットケーキミックスやお好み焼き粉など、小麦粉と調味料を混ぜ合わせた商品がある。使い切れずに家に余っている人も多いだろう。これらの小麦粉は保存方法によっては「ホットケーキ症候群」を引き起こす可能性がある。特にこの高温多湿の時期には、命に関わる症状を引き起こすこともあります。
〇ダニ」が原因です。加熱してもダメ
〇残った粉の保存方法
以上の点について詳しく説明する。
パンケーキ症候群」: ダニが小麦粉に侵入し、食べるとアレルギー症状 死骸にも原因物質が
パンケーキ症候群」とは、パンケーキやお好み焼きを食べた後にアレルギー症状が出ることを指す。小麦に対するアレルギーではなく、使用した小麦粉に侵入したダニに対するアレルギーである。
布団にいるダニと同じ種類のダニが、ホットケーキミックスのような「ミックス粉」を好むと言われている。このミックス粉を1回で使い切らないと、密閉されていないためにダニが侵入し、増殖してしまうのである。
このようなダニが混入した小麦粉で調理した食品を食べることによって起こるダニアレルギーの症状をホットケーキ症候群という。加熱しても発症を防げないのが特徴である。
済生会野江病院呼吸器内科副部長の松本健医師によると、加熱調理によってダニ自体は死滅するが、アレルギーの原因物質は死骸に残るため、それを食べると発症するという。
原因物質を一度に大量に口から摂取すると、急性のアレルギー反応である「アナフィラキシー」を起こすことが多い。具体的には、じんましん、浮腫(むくみ)、腹痛、下痢、呼吸困難、意識障害などが起こり、死に至ることもあります。
ほとんどの場合、食後30分以内に起こる。過去には、38歳の男性が自家製のお好み焼きを食べて呼吸困難などを起こし、救急搬送された。
問診の結果、開封後6ヶ月以上経過した市販のお好み焼き粉を使用していたことが判明。ダニによるアナフィラキシーの疑いで粉を調べたところ、「コナヒョウヒダニ」が大量に検出された。
この男性にはダニやハウスダストによるアレルギー性鼻炎の既往歴もあった。
ダニは小さな隙間にも入り込むことができる。「冷蔵庫で保存」有効?
このような粉に集まるダニは暖かく湿度の高い環境を好み、気温25℃以上、湿度60%以上でよく繁殖する。この時期の高温多湿は「天国」のようなものだ。
ダニの繁殖を避けるには、「冷蔵庫」で保管すること。
ミックス粉は、台所の引き出しや戸棚に入れっぱなしになっていることが多い。ジッパー付きの袋や密閉容器に入れたから大丈夫と思ってはいけない。温度と湿度の低い冷蔵庫で保管すれば、ダニは増えにくくなる。
東京都によると、ダニは体長0.3〜0.5mmと非常に小さく、わずかな隙間にも入り込むことができるという。実際、家庭で保管されている粉末製品を検査したところ、ゴムやクリップで折りたたんで留めた袋や、密閉容器に保管されているものからもダニが検出された。
そのため、冷蔵庫で保管し、なるべく早く使い切ることも重要である。
松本医師によると、開封後1ヶ月以内の使用による「パンケーキ症候群」の報告はにはないとのこと。賞味期限は未開封の状態です。できれば開封後1ヶ月以内に使い切るようにしましょう。
パンケーキ症候群」になりやすい人は? アレルギー性鼻炎の方は特に注意が必要です。
パンケーキ症候群になりやすい人は?
松本先生によると、ダニアレルギーがない人は基本的に症状がない。気管支喘息やアレルギー性鼻炎の人は、ダニにもアレルギーを持っていることが多いので、特に注意が必要です。
病院で検査を受けるなどして、一度は自分がどのアレルギーなのかを知っておいた方がよいでしょう。
ミックス粉は身近すぎて気にしたことがないという人も多いだろう。保存方法はパッケージに書いてあります。ぜひこの機会に、保存方法だけでなく、食器棚などもチェックしてみてください。
(2023年6月30日16:30頃、news every.にて放送。)
まとめ
「パンケーキ症候群」とは、ホットケーキなどの粉物を食べた際に、粉物に含まれるダニ成分に対するアレルギー症状を起こすものです。小麦そのものに対する食物アレルギーとは似て非なるものです。
パンケーキ症候群の主な症状は、咳や声がれ、息苦しさ、鼻水や鼻詰まり、じんましんなどの皮疹、脈が速くなる、動悸、嘔吐、下痢などです。原因となる食事を摂取した後、、30分以内に、上記のような症状が起こります。また、重症の人では意識がもうろうとしてきて、命に関わることもあります。
開封後の粉物は冷蔵保存し、早めに使い切ってください。加熱してもダニのアレルギー成分は残るからです。