東海道新幹線が”大雨に弱い “のはなぜ?3日連続ストップ大混乱。

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なぜ、東海道・山陽新幹線でこれほどの混乱が起きたのか。

 

まず、運転見合わせの背景を見てみよう。15日は台風7号の直撃が予想されたため、名古屋-岡山間が終日「計画運休」

 

16日は始発から通常運行に戻る予定だったが、静岡県内で大雨が降ったため、午前8時30分ごろに「三島」発「静岡」行きが運休となり、当初は「三島」「新富士」「静岡」の3駅間だけだったが、正午ごろには東海道・山陽の東京発博多行きの全区間が運休。

 

午後2時過ぎにはどうにか運転が再開されたが、運休は最長5時間半に及んだ。

 

17日朝は、16日の遅れの影響で、午前中は下り線の「浜松」-「新大阪」間、上り線の「博多」-「浜松」間で一時運転を見合わせた。遅延は続いており、Uターンのタイミングの乱れが非常に大きな影響を及ぼしている。

 

17日の「知りたい!のポイントは!

 

東海道新幹線は「大雨に弱い」のか?

 

なぜ新幹線は全区間止まったのか?

 

以上2点について詳しくレポートする。



実は、東海道新幹線は他の路線に比べて比較的「大雨に弱い」と言われている。その理由は意外なところにある。

 

雨による東海道新幹線の運転に関するルールでは、沿線59カ所に雨量計を設置して雨量を計測している。運転見合わせの限度も定められている。

 

1時間雨量60mm以上

1時間雨量40mm以上かつ連続雨量150mm以上

連続雨量が300mm以上かつ10分間に2mm以上の場合

 

これらのうち1つでも規制値を超えた場合は、安全のため運転を中止する。

 

8月16日の静岡の局地的豪雨では、午前8時半ごろから3時間の間に「1時間あたり60ミリ以上」が2回、「1時間あたり40ミリ以上かつ連続雨量150ミリ以上」が4回と、計6回も基準値を超えたため、今回の運転見合わせとなった。運転見合わせが長引いた理由のひとつである。

 

 

建設時期..東北新幹線とは異なる「土台」

東海道新幹線は一般的な雨なら普通に運転できるが、大雨には他の新幹線に比べて「比較的弱い」と言われている。鉄道ジャーナリストの梅原淳氏によると、その理由は東海道新幹線の「構造」にあるという。



東海道新幹線と東北新幹線を比べると、線路が敷かれている土台が違う。1982年に開業した東北新幹線は、高架のコンクリートの上を走る区間が非常に長い。

 

一方、1964年に日本で初めて開業した東海道新幹線は、非常に長い区間が高架の上に建設されている。建設時期が早かったため、高架コンクリート上に線路を作る技術がまだ十分に確立されておらず、土を盛ってその上に砂利を敷くという従来の工法で線路が作られた。




東海道新幹線開業の2年前に放送されたビデオでは、砂利の上に線路を丁寧に敷き詰め、固定していく工事の様子が記録されていた。いずれにせよ、東京オリンピックに間に合わせるべく、工事は急ピッチで進められていた。

 

もちろん、JR東海はその後も雨対策を強化している。とはいえ、このようなことは過去にもあった。

 

1990年には、愛知県で台風19号の影響で線路脇の盛り土が流され、東海道新幹線が終日ストップ。駅は大混乱に陥った。続く台風20号も神奈川県で土砂崩れを起こし、新幹線の車内や駅構内が混乱した。大雨によって盛り土が緩み、線路が崩れる危険性も高まる。

 

全線停止の理由は? 乗客の滞留でさらに混乱する危険性がある。



17日のもうひとつのポイントは、静岡で局地的な大雨が降っただけなのに、なぜ全線ストップしたのかということだ。

 

JR東海によると、「どこかで折り返すにしても、どこかの駅で乗客が滞留するとさらに混乱する恐れがあったので、全列車を止めた」とのこと。

 

鉄道ジャーナリストの梅原氏によると

16日は計画運休後のUターンのピークだった。新幹線はフル稼働だった。しかし、このような状況では、列車が1本でもどこかで立ち往生すると、そのために多くの列車が駅間で止まってしまう危険性があった。

 

 

ネックは新大阪駅だった。

 

東海道新幹線だけを止めて、山陽新幹線を新大阪で折り返せばいいのだが、JR西日本によると「東海道新幹線がいつ、どこに止まるかでダイヤを組み直さなければならない。新幹線を走らせながら複雑なダイヤを組むのはなかなか難しい」という。

 

また、鉄道ジャーナリストの梅原氏は、「新大阪で全通した山陽新幹線や西から来る他の列車をすべて折り返すのは、ホームがふさがってダイヤが乱れるので事実上不可能だっただろう。

 

“なぜ計画運休にしなかったのか?”という疑問もあるだろう。JR東海に取材したところ、「局地的な急な降雨で、計画運休が発生するかどうかの予測が難しい」との回答だった。

 

   ◇ ◇

 

鉄道各社はさまざまな努力をしているが、局地的な大雨を予測するのは難しい現状が続きそうだ。利用者にとっては、少しでも不通が予想される時は鉄道の利用を控え、混乱の渦中に巻き込まれないようにすることが最大の防御策となりそうだ。

 

まとめ

 

東海道新幹線は、他の新幹線と比較して雨の影響を受けやすい傾向があります。これは、土を盛った上にレールを設置する「盛り土区間」が多いためです。大雨の影響で陥没や崩壊などのトラブルが発生する可能性が高く、コンクリート製の高架などに比べ雨には強くない作りになっているということです

東海道新幹線は、日本で最初の新幹線という歴史的な経緯に起因します。

盛土区間は、後年に開業した山陽新幹線で18%、上越新幹線に至っては1%です。大量の雨が浸透して地盤がゆるめば、路盤の崩壊や沿線における土砂流入のリスクが高くなるからです。

 

(2023年8月17日16時30分頃放送の「news every. (news every.より)。

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