生活を脅かす恐ろしい病 経験者が語るめまい&耳鳴り

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60代以上の3割に見られるという「めまい」。一度起きると何度も繰り返してしまう事が多く、その恐怖から日常生活に悪影響を及ぼす事も少なくないのだとか。また、「耳鳴り」もひどくなると眠れなくなるなど、日常生活に影響を及ぼし健康を害する恐れがあるといいます。そこで今回は、耳が原因で起こる「めまい」と「耳鳴り」を徹底リサーチ。原因や改善法を専門医に教えてもらいました。

今日のテーマは「めまい」と「耳鳴り」。60歳以上でめまいは3割の方が、耳鳴りは65歳以上で3割の方に日常的に現れる身近な症状。

 

 

生活を脅かす恐ろしい病  めまいが起こる原因とは?

突然のめまいに襲われたという女性は5年前の春、目を覚まし起き上がろうとしたところ天井が回るめまいに襲われたという。起き上がる事もできずこのまま死んじゃうんじゃないかと思ったという。めまいは2週間くらい続き、症状が落ち着いても1年ほどめまいへの恐怖がつきまとったという。女性は良性発作性頭位めまい症という病気で、めまい患者の約4割を占める最も多い病気だった。このめまいは耳石が三半規管に入ってしまい、頭を動かさなくてもリンパ液が動かされ実際の頭の位置と脳の認識にズレが起きるため起こる。耳石の主な成分はカルシウムで、骨粗しょう症になると耳石ももろくなって耳石器から剥がれ三半規管に入りやすくなる。骨粗しょう症は女性の割合が7割以上を占めていて、良性発作性頭位めまい症の患者の多くは女性だ。40代以降になると急速にエストロゲンの分泌が減ってしまい、カルシウムをうまく吸収できなくなってしまい骨粗しょう症が進みめまいの原因になる。また、頭部への強い衝撃も耳石が剥がれる原因となりめまいに繋がる。人間の耳石は小さくてMRIでも見えないので、フレンツェル眼鏡で検査する。金子の目を見ると揺れていて、耳石が三半規管に入っていることがわかった。自覚がなくても入っている場合もあるという。三半規管に入ってしまった耳石は日常生活を送るうちに2週間~1か月ほどでなくなるという。

 

 

生活を脅かす病めまい 名医オススメの改善法!

めまいに悩んでいた女性は、「寝返り体操」を朝昼晩とやることで、2週間ほど経つとほとんどめまいがなくなったという。寝返り体操は、仰向けに寝て右に身体を向け10秒、正面を向いて10秒、左に身体を向け10秒、もう一度正面を向いて10秒。これを朝晩10往復繰り返すだけとなる。これを行うことで耳石が動き、三半規管から出たり耳石自体が細かくなり早く改善するという。めまいを感じたら診察を受けて原因を突き止めましょう。

 

 

生活を脅かす病めまい 耳石以外の原因とは?

聖マリアンナ医科大学の肥塚先生は、三半規管に耳石が入っていても本人が気づかない理由について、三半規管に入った耳石が少ないとめまいを感じないこともあるという。また、無意識のうちにめまいが出る方向へ頭を傾けないようにしている人もいる、などという。良性発作性頭位めまい症の他の「めまい」の原因について、脳から起こるめまいは脳幹と小脳の脳出血や脳梗塞で起こるという。顔や手のしびれやろれつが回らないといった症状がある場合は、同症状の可能性があるためすぐさま病院へ。また肥塚先生は、めまい患者の41%を占める良性発作性頭位めまい症の次に多いのが、10%を占めるメニエール病(出典:市中病院耳鼻咽喉科における最近のめまい統計 日本耳鼻咽喉科学会会報)だという。メニエール病は内耳全体がリンパ液によって水ぶくれの状態になる病気で、激しいめまいや難聴など様々な症状が同時に起こり、何度も繰り返すという。内耳が水ぶくれになる理由としてストレスが関係すると同先生は話す。また、ストレスを避ける・解消するなどで改善や予防ができるなどとした。

 

 

生活を脅かす恐ろしい病  耳鳴りが起こる原因とは?

慶應義塾大学病院の神崎先生が耳鳴りのメカニズムを解説。まず前提として、静かなところに行くと耳鳴りを感じることがあるが、これは病気ではないなどとした。ずっと続く耳鳴りの原因には「聞こえにくい」というものが挙げられるという。内耳にある蝸牛の有毛細胞で音の振動を電気信号に変え脳に送るが、年齢的な変化で高い音の部分から有毛細胞が失われていくため、送られてこない電気信号を受け取ろうと脳が活性化し、聞こえなくなった高い音を脳が作り出し耳鳴りがおきる、などという。一方、低音の耳鳴りが続く場合は、耳垢で耳の穴が塞がれたり、メニエール病により内耳全体がむくむことなどで、蝸牛に音の振動が届きにくくなり耳鳴りになっている、などという。また、耳鳴りを放置することで、うつ病などになる人もいると神崎先生は話す。川の水が流れる音が耳鳴りを改善する音だという。

 

 

生活を脅かす耳鳴り  水の流れる音で改善する理由とは?

水が流れる音で耳鳴りが改善する理由について、耳鳴りに対して部分的に遮音することで耳鳴りを小さくする効果がある、などと神崎先生は話す。これを音響療法という。音響療法は、耳鳴りよりも小さな音をスピーカーから流すことでできる。流している間は耳鳴りが気にならなくなるため、なるべく長時間聞くようにすると良いという。また、眠るときにも流すことで寝付きやすくなるともいう。耳鳴りでも、脈拍のような音がする場合は、耳の中に腫瘍があることや脳の中に動脈瘤が見つかる場合もあるため、長引く場合などは診察を。

 

 

生活を脅かす恐ろしい病 耳鳴りの治療と予防法とは?

耳鳴りのための専用機器にサウンドジェネレーターという機器があると肥塚先生は話す。補聴器のような形で、音響療法で使う音が常に流れるようになっているという。また、サウンドジェネレーターなどを使った音響療法を繰り返すなどする「耳鳴り順応療法」という治療法もあるという。耳鳴りを防ぐ方法として、大きな音を聞かないなどした難聴を防ぐことが耳鳴りの予防となる、などと同先生は話した。また、周囲の騒音がある場所などでイヤホンなどを使用する場合、ノイズキャンセリング機能で音が大きくなりすぎることを防ぐと良い、などとした。

 

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