福井県の伝統工芸品

福井県の伝統工芸品について書きます。

越前漆器

越前漆器は、鯖江市の三大地場産業で特に 河和田地区において盛んで

す。

大和飛鳥時代に継体天皇動が、今立郡味真野の郷に来られた際、冠の塗

り替えを片山町の塗師に頼んだところ、黒漆の椀も併せて献上しました。

その光沢の見事さに深く感銘して、大いに奨励された事が越前漆器の始

まりと伝えられています。

明治まで片山椀と言われる漆器のみを製造していました。

明治時代に、蒔絵・沈金などの技法が導入され、さらに伝統的製法によ

る椀や膳を業務用食器として普及してから全国に知られるようになりま

した。

特徴

古典的な優雅さと堅牢なことで知られており、白生地に漆を原料とした

椀・膳・重箱など河和田塗の名称で全国に知られています。

次は、越前和紙について書きます。

越前和紙

１５００年ほど前、継体天皇が越前におられ、まだ皇子の頃、この村里

の岡太川の上流に美しい姫が現れて「この地は清らかな水に恵まれてい

るから、紙漉をして生計を立てよ」と紙漉の技を村人に教えたと言われ

ているそうです。

人々は、この姫を「川上御前」と崇め奉り岡太神社を立てて お参りし 紙

漉きの技を伝え、今に至ると言われています。

越前和紙は日本に紙が伝えられた４～５世紀には、すでに優れた紙を漉

いていたようです。

その証拠に正倉院文書の天平九年「写経勘紙解（しゃきょうかんしげ）

に「越前紙一千帳簿」とあり写経用紙として薄紙も納めていたので、

すでに技術水準が高かったといえるそうです 。

平成元年には、7.1×4.3メートルの手漉き和紙としては世界最大の「平

成大紙」を漉き当地の製紙技術水準の高さをアピールしたのです。

平成４年には紙祖神へ崇敬と和紙の強靭さを示そうと奉祝大祭記念の

「紙祖神太鼓」を完成させたそうです。

越前和紙の品物として書画用紙・便箋・はがき・名刺・襖紙・壁紙・和

雑貨などに使われています。

次は、若狭めのう細工について書きます。

若狭めのう細工

福井県小浜市で生産されるメノウの原石を加工した工芸品です。

その歴史は奈良時代に玉を信仰する鰐族という渡来人が若狭一の神社の

前で玉を作ることを仕事としていたのが始まりと言われています。

享保年間、玉屋喜兵衛が浪速の眼鏡屋に奉公中、メノウの原石に熱を加

えることで鉄分が酸化して、赤く発色する「焼入れ技術」を習得して帰

郷し広まったと伝わっています 。

江戸時代には根付として小さな勾玉を印籠などにつけていたそうです。

美術工芸品としての彫刻の技術は、明治初期に中川清助により創始さ

れ、海外をはじめ全国の博覧会に出品し普及させたそうです。

次は若狭塗について書きます。

若狭塗

若狭塗は昭和５３年２月６日に伝統工芸品に指定されています。

江戸時代初期、慶長年間に小浜の豪商組屋六左衛門が国外より入手した

漆塗り盆を藩主酒井忠勝に献上し、松浦三十郎が小浜湾の海底の模様を

図案化し中国の漆器作りをもとに「菊塵塗」を考案したのが最初と言わ

れています。

その後、弟子によって「磯草塗」が編み出され、万治年間に現在まで伝

わる方法が完成し、当時の小浜藩主がこれを足軽の内職として、 若狭

塗と命名し保護奨励しました。

若狭塗として、箸・重箱・ちゃぶ台・お盆などがあります。

越前箪笥

室町・戦国時代に、現在の越前市あたりは朝倉家の国府が置かれ、指物

師が茶道具をつくり一定の文化がありました。

江戸時代には藩主となった本多富正公が、町の整備をすすめ様々な技術

者が集められたため、指物・漆・金具が特徴である越前箪笥が栄える下

地が出来たのです 。

明治中頃には本格的な箪笥職人が活躍し、今も越前市にはタンス町通り

があり建具屋・家具屋が立ち並びます。

越前箪笥の特徴は、使い込むほど味わい深い風合いとどっしりした重厚

感があることです。箪笥の角を保護するためにつけられた金具は魔除け

としてハート型の金具になっており、金具のユニークさも越前箪笥の魅

力となっています。