老いらくの恋の行方は

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私は70代、3年前にがんの病気になり入院をしておりました。

手術もしてもらい投薬治療もしてもらった結果、無事に退院することができました。

しかし長期の入院で歩くのもおぼつかない状態になっていました。

入院している間に嫁がええ機会やから介護の認定をしてもらった方が良いと言ってもらい、

国の介護認定をもらいました。

その結果、家にいても 人との関わりが出来ないし リハビリのためデイサービスを利用

したいと思いケアマネージャーさんに介護施設を紹介してもらい 2つほど見学に行ってきました。

小さい介護施設ですが、こじんまりとした家庭的な雰囲気が気に入り、早速契約し、そこに

通うようになりました。

最初の頃は指導員が男性ばかりで全く面白くも楽しいこともありませんでした。

気は進みませんでしたが、指導員や来ておられる 同年代の方と少しは関わりを

持てると思い行っておりました。

 

2年前にある女性の指導員のかたが、その介護施設に入って来られました。

茶髪でヤンキーのねえちゃんかと思って 最初の頃は別にその女性の指導員に対して 

どーも思っておりませんでしたが、まあまあの美人で気さくに声をかけてくれ

干支が同じであったり血液型も同じという共通点があり親しみを覚えました。

嫁に比べて心が優しく、話し方も穏やかなので 一方的好きになった次第です。

金曜日にその介護施設で毎週お世話になっておりました。

金曜日が来るのが待ち遠しかったです。

時間は午後2時から5時まででしたが、嫁から解放され、その女性の指導員と会えることで

私の心が明るくなってきました。

もう1つ変わったことはノートに日記を書くようになりました。

その人の誕生日や毎日どんなことがあったかを書くようになりました。

そんな状態を見ていた嫁は、本人も明るくなってきたから、デイサービスに行って良かった

なと思っておりました。

 

月日が過ぎ、血圧が高くなりめまいがすることが出てきたので 早速病院に検査を

してもらいに行きました。

 

脳波、心臓の検査をしてもらったのですが、おかげさまで何も異常がないと

先生に言ってもらいました。

病院の先生から、もっと運動した方が良いと言ってもらいました。

確かに家に居ると歩くことも少なく、パソコンばっかりいらっていたことが多かったです。

さっそく嫁がもっと運動をさせてもらえる介護施設が良いと言い、ケアマネージャーさんに教えて

もらい 前の介護施設から 別の運動ができるデイサービスに替えるようにしてもらいました。

そのことが私には気に入りませんでした。

前の女性の指導員とも会えることがなくなったので、寂しいと自分の想い ラインの友達に

なって繋がってほしいことを手紙に書き送りました。

嫁にはそのことは内緒にしておりました。

無視されるのではないかと案じておりましたが

何日かしてその指導員の女性からラインをもらいました。

こんな年寄りに 彼女のやさしさに感謝、感謝

その時の私の思いは天にも昇る気持ちでした。

手紙を女性に送ったことは嫁には話しておりませんでした。

ところが嫁が私の携帯やノートを見たことで、私がその女性の指導員とラインで

つながっていることを知り、こっぴどく叱られてしまいました。

私は言い返す言葉をなく、嫁に謝った次第です。

ラインぐらいはいいと思っていましたが、

妻は昨今のSNSに関係するセクハラ、ストーカー、不倫などの事件にエスカレートし

家庭崩壊を心配しての行動だったのです。

 

その介護施設をやめたくなかったのですが、嫁の言うことを行かなあかんと思い 

私の恋はそこで はかなく終わってしまいました。

しかし第二の初恋は、すぐに忘れられるものではありません。

散歩中 ひょっこり出会うのではないかと期待して 今日もウロウロ徘徊しております。

出会ったとしても もう覚えていないかな 知らん顔をして

人の前を気づかずに通り過ぎてく

悲しいな。

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