加齢のふりしてやってくる心臓弁膜症の早期発見の鍵や治療の最前線

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日本人の死因の第2位となっている心臓病。

心臓弁膜症は心臓弁の機能が低下している状態で、放置すると心不全や不整脈を引き起こす。

息切れ・むくみ・だるさなど加齢による症状と見分けがつきにくく気づかない人も多い。

今回は心臓弁膜症の早期発見の鍵や治療の最前線などを紹介する。

意外と多い!? 心臓弁膜症 狭心症・心筋梗塞との違いは?

今回のテーマは心臓弁膜症。

狭心症と心筋梗塞との違いについて、狭心症は冠動脈が狭くなって血流が悪くなる病気で、心筋梗塞は冠動脈が血栓で詰まって心筋が壊死した状態を指しているのに対し、心臓弁膜症は血液を送り出すための心臓弁の機能が低下している状態を指し、放置すると不整脈や心不全の原因となる。

意外と多い!? 心臓弁膜症 心臓弁の機能が低下する原因とは

60歳以上で約284万人が患っている心臓弁膜症。

昨年心臓弁膜症が発覚した男性によると、当時自覚はなかったといい、息切れやだるさの症状があったものの年齢のせいだと考えていたという。

心臓は4つの部屋に分かれており、各部屋に心臓弁があり開閉することで全身に血液を送り込んでいる。

心臓弁膜症はこの機能が低下して血液を正しく行えなくなる病気。

近年増加しているのは大動脈弁が固くなって弁が開きにくくなる大動脈弁狭窄症と、弁の閉じ方が不完全で血液が逆流しやすくなる僧帽弁閉鎖不全症。

心臓弁の機能低下の原因は先天的なものや動脈硬化がある。

動脈硬化が進行すると弁の組織が固くなり弾力が失われて正常に動かなくなる。

動きが悪くなると心臓が過剰に動くようになって負荷が生じて息切れ・むくみ・だるさなどの症状が出てくる。

心臓弁膜症を放置すると不整脈や心不全を引き起こして突然死につながる。

意外と多い!? 心臓弁膜症 「聴診」が早期発見の鍵!?

早期発見につながる心臓弁膜症の検査法とは。

先生曰く心音を聴くことで弁の状態を把握できるという。

正常な心音は私達がイメージする音だが、心臓弁膜症の場合は引きずっているような音が。

これは心雑音と呼ばれるもので血液が弁の狭い部分を流れる時に起こる摩擦音。

心雑音は内科・循環器内科や健康診断で調べられる。

心雑音は弁の異常が初期の段階から聴こえる事がある。

心雑音が聴こえたら超音波による心エコー検査で細かく調べられる。

心エコー検査は65歳以上になったら年に1回は受ける事を推奨。

心臓弁膜症の原因について質問。

僧帽弁を支える役割を持つ腱索が切れて弁を支える力が弱まり血液が逆流しやすくなる事があるという。

40〜50代の方でも何らかの原因で腱索が切れる事も。

歳でもないのに息切れ・だるさを感じたら心音を聴診で調べてもらい異常があれば心エコー検査をオススメするとのこと。

意外と多い!? 心臓弁膜症 原因は「虫歯」にもあり!?

75歳以上の8人に1人が患っているという心臓弁膜症。

さらに虫歯で起こることも。

口内には色々な細菌が棲んでいて虫歯の人は細菌が血中に入る事がある。

細菌が心臓弁に巣を作り炎症を起こす事も。

心臓弁膜症の標準的な治療は人工弁置換手術。機能が低下した弁を取り除き人工弁を装着するというもの。

ただ、この手術は人工心肺装置を使って一時的に心臓を止めたり胸を開く必要があるため、高齢者など体力の落ちている人は受けられないケースがある。

現在では治療の選択肢が広がり、85歳の福地さんも受けた手術法は手術痕は太もも辺りのわずか数ミリと小さく、人口心肺装置を使わない負担の少ない方法。

意外と多い!? 心臓弁膜症 負担の少ない治療法とは

負担が少なく85歳の福地さんも受けた心臓弁膜症の治療法はTAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術)。

治療に用いるのはカテーテル。

管の中には針金のようなガイドワイヤーが入っている。

これを脚の付け根の動脈から挿入する。

大動脈弁まで到達したところで治療の要である人工弁を挿入。

この人工弁は液体を流し込むことで約2.5cmまで拡張。中央が風船のように膨らむことからバルーン型と呼ばれている。

この仕組みのおかげで脚の動脈から挿入でき、手術痕も最小限にできる。

そして幹部まで到達したらバルーンを膨らませて人工弁を装着する。

術後は人工弁が弁の代わりとして血液を全身に正しく送ってくれる。

TAVIは1時間程度で手術を終え、翌日から歩く事も可能。TAVIにはバルーン型の他に自己拡張型という装着後ゆっくりと時間をかけて広がる人工弁があり、患者さんの状況に応じて使い分けている。

また、TAVIを受けるための条件は80歳以上であることや肺・肝臓などに疾患を持っている方など外科手術をした際の危険リスクが高い方に限られている。

そして外科手術とTAVIどちらの手術を行うかはハートチームと呼ばれる外科・内科・麻酔科など様々な分野の先生が集うチームで何度も話し合い治療方針を決定する。

TAVIに用いる人工弁の生体弁は牛や豚の心膜から作られていて耐久性が約10〜15年なため若い方が治療すると生体弁が劣化していく可能性があるとのこと。

また、外科手術では生体弁の他にカーボン製の機械弁を用いることもある。

機械弁は耐久性に優れていて劣化の心配がない。

ただし、金属を体内に入れるため血栓ができやすくなる。

そのため血栓を予防するために血液をサラサラにする薬を生涯服用する必要がある。

機械弁は高齢者が転倒した際に出血すると血が止まらなくなる可能性があるため懸念されている。

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