素人からの挑戦 在宅医療を支える「PA」とは、

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夕方に。テレビを見ていて釘付けになることがありました。人間の死と向き合う関係の仕事をされている方のお話でした。誰でも死に向き会うことは必ず出て来ます。その仕事をされている方の内容のお話でした。

 

2021年7月10日(土)放送のTBSの報道特集は…

コロナ禍で面会できない病院から自宅に戻る人が急増する中、多くの患者を在宅で診るために、

「PA」と呼ばれる人材を独自に養成している診療所があります。

素人から挑戦し、看取りの現場で葛藤するPAたち。彼らの寄り添いの日々に密着しました。

 

素人からの挑戦 在宅医療を支える”PA”とは

東京・板橋区を拠点に8年前から訪問診療を専門に行っているやまと診療所

これまで約1200人の患者を診療してきた。PAとは“physician assistant”の略で直訳すれば医師の助手を意味する。

PAになって4年の山内美郷さんはPAになるまで医療は学んだことがなかったという。

PAに医療的資格はなくやまと診療所には現在40人を超えるPAがいるが殆どの人が専門知識のない素人から

スタートしている。山内さんは4年前に父親をがんで亡くしており、父を支えてくれたホスピスの姿をみて転職を決

意したという。やまと診療所・柳澤医師は「PAは患者、家族と医師のちょうど真ん中くらいの立ち位置」と話す。

やまと診療所は4月に「おうちにかえろう。病院」を開設。在宅療養を目指し治療・リハビリなどを行っている。

PA業務は診療報酬の対象外だがPAがいることで医師の負担が減り効率的に患者を見ることができる。

やまと診療所では在宅看取り数が500人を超えている。

去年、新卒で入った浅野さんも学生時代に医療を学んだことはなく現在修行中。

看取りに立ち会った浅野さんは「遺族に悔いが残らないように日々の関わりの中からやっていきたい」と語った。

 

「自宅で最期まで」支え続けた”PA”

やまと診療所PA、4年目の笹川さんが担当する73歳の患者は肝臓がんを発症しており、

今年2月から入院し治療を受けたが効果は得られず現在は自宅療養している。

笹川さんは「家族の時間、うちの時間を大切にしたいとおっしゃってた。

それがすべてなので“何かしたい”を叶えられるようにしていきたい」と語った。

笹川さんは病院で亡くなることが出来なかった祖父への思いが蘇り患者の望みを叶えられる仕事がしたいと、

大学卒業後やまと診療所のPAとなったという。

最初の訪問から一月あまり、男性の症状は徐々に悪化していた。

やまと診療所PA、笹川さんが担当する73歳の患者の様態はその後、一進一退を繰り返していた。

5月上旬、男性は家族に見守られながら静かに息を引き取った。

笹川さんたちは家族が亡くなった後もグリーフケアのために遺族のもとを訪ねた。

妻は深い喪失感に襲われていたが、一方で夫の望みを叶えられた安堵の表情も浮かんでいた。

笹川さんは「とくになにかをしたわけではなくて“ずっとそばにいるよ”というのは伝え続けてきた。

色んなたくさんのことを学ばせてもらっているので、その学んだことを次の患者さんとの関わりに

生かしていくこと」などと語った。

 

「死を送り出してもいい」安井院長の思いとは

 同診療所が「死」にこだわるのは、安井院長の死への強い思いがあるからだ。

高校生の時に、末期がんが判明した父親がわずか3カ月で亡くなった。

入院中に医療者と家族の意思疎通がうまくいかず悔しい思いを抱える。

このときに、溝を埋める新しい医師像を描く。

医師たちが苦手とする、コミュニケーションの重要性にも気付いていた。

 そして、多くの死生観を探ろうと13年前、27歳の時にミャンマーの国際医療団に加わる。

軍事政権下で政情が不安定で、医療機関は乏しい環境だ。遠方から多くの住民が診療を受けに来る。

「ある日、20歳の娘さんが来て重度の心臓病を告げられ、近い将来の死を穏やかに受け入れて村に帰ったことが

ありました。

輪廻転生(りんねてんせい)の信仰が身に付いていたようです。

生きている間に十分に徳を積むという考えです。与えられた時間の過ごし方をしっかり分かっていました」

 輪廻転生とは、「人は死んでも、新しい生命に生まれ変わる。その繰り返し」という考え方だ。

 娘さんのその姿勢に衝撃を受けた。

「というのも、それまではずっと、『死ぬな』と周りから言われ、教えられてきた。それが『死んでいいよ』

死を送り出してもいいんだ、という世界を見つけた」

 この2つの体験が「その人らしい生き方を最期まで支える」という安井さんが掲げる診療所の理念となる。

「その人らしい生き方」を聞き出し、引き出すのが医療人であるPAの役割。

そのためには、患者や家族と同じ目線で接し、生活感覚を踏まえて、本人の意向をくみ取る。

そして会話録に記入する。

「最期まで支える」ことで、多くの日本人が望む「自宅での最期」を実現する。

本人や家族に自宅死への選択肢を提案し、選択した患者には、必ず看取りに寄り添う。

「無資格のプロ」、PAの存在は大きい。

 

在宅医療に新風 ”PA”の活躍と未来

膳場キャスターは「患者や患者家族にとっては大きな支えになってくれる存在。

他の病院でもこういう存在が普及していくといいと感じた」とコメント。

金平氏は「コロナ禍で人々の間で死生観が変化したように思う、人を看取ることがいかに大切かということを考える

ようになった」などとコメントした。

 

私は、最後にこのお仕事に関わって来られている方々の心の想いが感じ取られる番組でした。

全国にPAさんの仕事をされる方が増えていって欲しいとつくづく思いました。 

 

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