
今日ご紹介する野菜は、タケノコです。まさにこの春を告げる大地の恵みですよね。
以前、タケノコ掘り名人を訪ねていったことがあるんですよ。
どうやって見分けるのって聞いたら、土がちょっとぽっこり盛り上がって、よく見ると表面にひび割れが入っているところ。
ここ。って言われて掘ってみたら、白くて美しい立派なタケノコが現れて、みずみずしい。
生でも食べられるよっておっしゃってました。
掘りたてのものは、そんなたけのこの目利きポイントにいきます。
まず、穂先をチェックしてください。穂先が黄色い色をしていて開いていないもの。
もうぱかっと開いているものは、土から出てしまって、緑色がかかっていることが多いです。
どちらかというと黄色で、先がね、開いていない、きゅっと詰まっているもの。
これを選んでください。開いてるとスジも固くなって、えぐみも増してくる傾向にあります。
2つ目。下の方に切り口があると思うんですが、そこをチェックすると、できるだけ色が白い、みずみずしいものを選ぶ。
時間が経ったものは水分が抜けて切り口が茶褐色になっている傾向にあります。
白いものを選んでください。3つ目。根元って。
皆さんイボイボを見たことありませんか。根元にイボイボがね、成長するにつれて出てくるんです。
成長すればするほどイボイボの数が多くなって、イボの色も濃くなってきます。
ですので、鮮度のいいものは、根元のイボイボが少なくて、そしてイボイボの色がピンク色のようなもの。
これを選んでいただくとばっちりです。
では、まとめます。
穂先が黄色で開いていないもの。そして、切り口ができるだけ白くてみずみずしいもの。
根元のイボイボが少なくて、イボの色がピンク色のもの。
これを選んでいただくとバッチリです。
では、保存法に行きたいと思います。
産地ではこんな言葉があるんですね。タケノコはお湯を沸かしてから掘りに行け。
それぐらい堀ったらすぐに食べてよっていう願いを込められたそんな言葉なんですけれども、まさに時間が経つにつれて えぐみがどんどん出てくる。
なので、皆さん、できるだけ入手したらすぐに調理してほしいというのがたけのこなんですね。
まず、保存方法をお伝えするんですけれども、水分がいかに抜けないようにみずみずしさを保てるか、ここが大きな保存のポイントとなってきます。
まず、あく抜きをしたタケノコをカットしていきます。
そして、保存袋もしくは保存容器がありますよね、そちらにタケノコが浸るぐらいに水を入れてください。
そして、カットしたタケノコを入れてください。
密封して冷蔵庫保存するわけなんですけれども、使いきるまでできれば毎日水を替えてあげる。
ただ、1週間ぐらいこれをやると保存は可能なんですが、うまみっていうのはどんどん抜けていくので、もうできれば3、4日以内に食べていただくのがベストだと思います。
できるだけ早くいただいてください。そして、たけのこは冷凍保存もできるんですね。
あく抜きをしたタケノコの水気をまずしっかりと拭き取る。
これが冷凍の時にすごく重要です。丸ごとではなくて、熱さ5ミリ以下にカットするわけなんですけれども、なぜ丸ごと冷凍してはいけないのか。
これはすごく重要なところで、繊維質がすごくたけのこは多いです。
そのままの形で丸ごと冷凍してしまうと、水分が外に抜け出して筋張って美味しくいただけない。
なので、カットしてから冷凍が大事なんですが、このカットのポイントです。
まずですね、タケノコ繊維っていうのは縦方向に走って、
なので横向きにカットする。幅としては5ミリぐらいにカットするっていうのが大事です。
はい。タケノコって円錐形をしてますよね。縦方向に繊維が入っているんです。
なので、断ち切るような感じで寝かせて切っていただくと、繊維を断ち切ることができる。
なので美味しくいただけます。冷凍することでメリットが2つあるんですよ。
まず1つ目は、冷凍して解凍することで、細胞液が壊れて味が染み込みやすくなります。
煮物とかするとね、しゅんでくる感じがね、すごく美味しくいただける。
2つ目です。使いやすい形にカットしてるので、手間も省ける。
ということで、時短調理に繋がっていくわけなんですね。
ぜひ皆さんやってみてください。その他の保存法としては、水煮とか塩漬け保存法などがあるんですけれども、いろんな生活スタイルの中でやりやすい形をチョイスして、ぜひ今年の春もタケノコを存分に楽しんでください。
以上、タケノコの目利きポイントと保存法でした。
今日はタケノコについてお話していますが、
続いてはタケノコの知っとくポイントについてお話します。
掘りたてのタケノコって、生で食べられるぐらいアクがない。
でも、時間が経つにつれてエグミが増していきます。
じゃあ、そもそもこのたけのこ独特のアクとかエグミってなんなんだ。
とか。こちらはね、シュウ酸やホモゲンチジン酸と呼ばれる酸性の成分ですね。
シュウ酸、ホモゲンチジン酸。これらはね、酸性の成分でカルシウムの吸収を妨げる原因となるので、アク抜きが必要となるわけなんですが、でもこれってちょっと難しい。
アク抜きめんどくさい。
だからタケノコは買わないんです。でも、そうですか。
あく抜いたものだから、ご近所さんがタケノコをね、取ったよって言って、アク抜きかしらってちょっと思ったんです。
期待しちゃいますよね。ほんとそうなんですね。若い方がちょっとなかなかたけのこのハードルが高いとはそういうところ。
今日は改めて、アク抜きの方法を3つご紹介します。
意外とあれ、できるんじゃないかと思っていただけると思います。
まず1つ目、スタンダードの方法です。米ぬかと唐辛子を使った方法。
これなんですが、最近はスーパーでもたけの売り場の横に米ぬかセットでね、置いてたりしますよね。
じゃあ、なぜ昔から米ぬかを使うのか。先ほど言いましたシュウ酸とかホモゲンチジン酸のうち、シュウ酸っていうのは水溶性なので、茹でて水にさらすことで減少していきます。
ただ、ホモゲンチジン酸っていうのは酸性で、アルカリ性のものと反応させないと溶け出してくれない性質があります。
そこで米ぬかが出てくるんですが、米ぬかはアルカリ性なんですね。
アクを吸着させてえぐみを取り除くことができるんです。
米ぬかってもう1ついい点がありまして、ぬかに含まれるアミノ酸と脂肪分が作用してね、たけのこの繊維を柔らかくしてくれる効果も期待できるんです。
一石二鳥なわけなんですよね。
手順です。
たけのこは、外側の皮、結構皮があると思うんですけれども、
2、3枚だけ剥いてください。その他の皮は残しておく。
これ覚えといてください。これ、理由なんですけれども、皮付きでなぜ茹でるのかというと、これによって皮から柔らかくなる成分が出てくるんですよ、全体に。
より柔らかく仕上げることができます。皮付きな理由としてはもう1つ、タケノコの旨味を逃がさない、そして、皮付きの方がじっくり時間をかけて茹でることができるので、結果的にしっかりとあく抜きをすることができる。
なので、2、3枚取ったあとは皮つきで茹でていく、これが大きなポイントとなります。
そして、茹でていくわけなんですが、どうやって茹でるのか。
たっぷりのお水、米ぬか、赤唐辛子、これを鍋に入れまして、お水から茹でていくんですね。
ぬかってどれぐらい必要ですか?
大きいお鍋につき一握り、手でとていただいてさっと入れるぐらいで、それぐらいで大丈夫そうなんです。
唐辛子は1本で大丈夫です。なぜお水から茹でるのかというと、温度の上昇が緩やかなものになるために全体にバランスよく火が通っていくからなんですね。
ぐつぐつしたお湯ではなくて、
お水の状態から入れていく。グツグツ沸騰してくるんですが、沸騰したら落とし蓋をして、ここから弱火で1時間半から2時間茹でていく。
ほったらかしで大丈夫です。竹串が刺さるほど柔らかくなったら火を止めてください。
ここでポイントです。出来上がったと思ってもう水に晒してしまうのはNG。
大事なのは、火を止めたらもうそのまま半日ほど放置してください。
じっくりじっくり冷ましていってあげるのがすごく大事なんですね。
なぜか。これには理由は2つありまして、火を止めた後で茹で汁の中に入れておくことで、あがさらに抜けていくことができます。
そしてもう1つ、しっかり冷ますことで、茹で汁に出た旨味をタケノコに戻すことができるんですね。
これ、意外ともうそのまま置いておくって忘れがちなんですが、この半日間置くことで、うまみは戻ってくるわ、アクはどんどん抜けていくわっていうことで、すごく重要なんだよ。
意外と簡単そうですよね。ただ、2つ目のやり方としてお伝えしたいのが、米ぬかがないよっていう場合もありますよね。そんな場合、
米のとぎ汁、もしくは生米を使ってもできるこの方法
をお伝えしたいと思います。
なぜ、米のとぎ汁でできるのかというと、米のとぎ汁も、精米の際に削り取れなかった米ぬかの成分が含まれているので、同じような効果が期待できるわけなんですね。
生米の場合は、鍋にたけのが浸るぐらいの水を入れて、タケノコ1本に対して大さじ4ほどの生米を入れていただいて、そして、沸騰したら弱火で30分茹でたら完成です。
米ぬかがなくても、米の研ぎ汁でもできるっていうことで、結構ハードルが下がってくると思います。
米のとぎ汁も生米もないわっていう場合、3つ目の方法です。
お酢。お酢を使ってもあく抜きができます。お酢って、米ぬかと同様にエグミの成分を中和してくれたり、繊維を柔らかくしてアクを外に出してくれる効果があります。
お酢の場合の手順です。
お鍋にタケノコを入れて、浸るくらい水を入れます。
ここで、水1リットルにつき50ミリリットルのお酢を入れてください。
水1リットルにつき50ミリリットルのお酢を入れます。
火にかけて沸騰したら弱火にして10分から15分程度茹でていきます。
これで根元に串がすっとささればオーケーなんですけれども、そのままお鍋に入れたまま半日置く。
半日だったらそれを捨てて、真水にして半日間置く。
ほんとこれだけですので、ぜひ皆さん、たけのこをまく抜きチャレンジしてみてください。
以上、たけのこの知っとくポイントでした。
