
今週 久しぶりに私の個人的な趣味でお送りしてる仏像を訪ねるシリーズというのを、やってみたい。
こちらです。
奈良で超国宝の仏像。
国宝。国の宝に指定されてる中でもひときわ素晴らしく守り伝えられてきたものを超国宝として呼んでみようということで集めた特別展が奈良国立博物館で開かれてます。
超国宝展という名前なんですが、これは確かに超で、日本書記にも載ってる七支刀のほか、絵画、教典など100点以上が展示されてます。
いや、どれも貴重で素晴らしいなと思ったんですが、今回はやっぱり私的には仏像を見たいなということで、この時間は、展示されてる中から特に2体の仏像をピックアップしてご案内、ご紹介したいと思います。
まずはこちらです。法隆寺の百済観音、
まりこさん、お手元にあるチラシフライヤーの1番の表面、左側にあるのがこれ。
法隆寺の百済観音と呼ばれている仏像です。
法隆寺ですから、およそ1400年前、飛鳥時代の仏像です。
木造でして、
楠の大木から切り出した一木造りで、作者はわかりません。
よう残ってるなこん。そうなんです。最初の頃は、朝鮮半島の国だった百済から運ばれてきたという言い伝えから、百済観音像、百済観音と呼ばれてたんですが、後に詳しく、おそらく科学的にも調査したんでしょう、どうも日本製だということが分かったということなんですね。
ただ、今回ね、博物館でその国宝、実物見せていただくと、いや、そら百済観音って名前 舶来っていう印象ついてもおかしくないよねっていうような、ちょっと独特なお姿をされてるんですよ。
だいぶ身長が高いです。およそ2メートル10センチとか。
そう、そんなでかいんですか。もちろん台座があるんですけど。
はい、博物館では、それも含めて。
うん、見上げるような高さで。そっか。しかも痩せ型の、すごくスレンダー。
スラッとした体型なさってまして。はい。これ、下から見上げてるってのもあるんですが、腰の位置がね。
うん、めちゃめちゃ高くて。足が長い。あーあ、日本人の体形ではない スーパーモデルなんですよ、これ。
ほんとに。
同じ観音様の像でも、平安時代以降になりますと。
遣唐使が廃止されて、日本独自の美学とか文化が発達した影響もあって、ちょっとふっくらした体形になっていくんですよ。
観音像でも。はい。でもこの頃、飛鳥時代には、これだけすらっとした、日本人離れした異国情緒、エキゾチックな魅力もあるなと思ってね、ほーと思って見てました。
ほぼほぼ前から、横から180度見られるんですけども、横から見るとね、背中とかまっすぐじゃないんですよ。
背中、腰足にかけて、横から見ると、緩やかなs字カーブを描いてるんですよ。
そうですそうです。柔らかで女性的な柳腰っていう言葉がありますけど、まさにそんな感じです。
お顔立ちがスッキリ。細面なんですけど、優しくて、ちょっとふっくらもされてて、フィギュアスケートの浅田真央さん。
真央ちゃんっぽい、真央ちゃんっぽい美人さんで、観音様ってのはもう性別を超越した存在という風に言われてるんですけど、やっぱりね、こう、女性的な優しい感じが美しいな。
本当、綺麗な観音様です。
とにかく、およそ1400年前のものが今ここに立ってる、残ってるっていうだけでもすごいんですが、うん、独特な美しさもある。
美術品として見ても素晴らしいっていうとこがいいなと思いました。
超国宝、正式には観音菩薩立像と言います。是非ご覧いただきたいと思います。
奈良の超国宝展の仏像についてお話したいことがもう1つあります。
こちらです。運慶作 大日如来像
チラシをちょっとめくっていただいて、はい、1番左角にあります。
大日如来仏様がお座りになってる大日如来座像でございます。
運慶作と言われてまして、平安時代から鎌倉時代にかけて活躍したあの運慶、仏師、仏像専門に彫る彫刻家、アーティストなんです。
運慶で有名なのが、東大寺の金剛力士像。
あの筋骨隆々の肉体美、ダイナミックで力強いなっていう、ここの破天荒な感じが運慶らしいなと思ったんですけども。
はい、この大日如来様の像は、運慶がまだ若い頃、なんならかけ出しの頃に手掛けたデビュー作といってもいい初期の作品だそうです。
上手よね。そうなんだ。最初から上手やね。上手やな。
ちゃんとね、オーソドックスな丹精な形がちゃんとできてるんですよ。
そっからね、当時としては破天荒な、ダイナミックな、型破りな作品になっていくんだけど、ピカソもそうですけど、やっぱ一流はね、基礎もしっかりできとるなっていうことがわかりました。
これで今からおよそ850年前、平安時代末期のもの。
奈良、円成寺に納められている大日如来座像です。
大日如来、真言宗ではトップに位置づけられている仏様で、一般的には深い悟りを得た静かで穏やか、どっしりと重厚な雰囲気の像が多いんですが、この運慶作の大日如来様は、もちろん重厚な雰囲気もあるんですけど、顔とか体付きにちょっとピチッとしたハリのようなものがあって、なんですかね、若々しいエネルギーみたいなものが内からほとばしるような生命力があるんですよ。
仏様ってもうそういう命とかその血潮じゃなくて、超越したなんかおしいものなんですけども、いや、生きてるんじゃないですかっていうような若者っぽい感じもするし、見方によってはみずみずしい感じさえするっていうのがね、ドキッとしましたね。
運慶後の仏像界にルネッサンスのような斬新さを生んだ、
まあ偉大なアーティストなんですけども、そんな運慶の基礎もしっかり抑えつつ、のちに独自の作品を生み出していくスピリットも同時に感じさせる。
若き日の息吹もちゃんとあるという。この超国宝なんですよ。
そうやって聞いてみると、やっぱ面白いですね。
国宝だからいいというのもありますけど、僕がじかに見てもやっぱいいから国宝なんだなっていうのも思いました。
なるほど、いいからここなのよねっていうのを感じました。
これ、装飾品もその時代のものなんですよね。
あります。もちろん、この装飾品というか、その大日如来坐像がつけている冠とかもちろん
台座とか後につくられたとかいろんなパターンがあるんですけれども これはほぼほぼそのまま残ってるということだと思います。
このほかにも国宝、重要文化財がおよそ140点。
奈良国立博物館開館130年記念特別展超国宝祈りの輝き6月15日日曜日まで開催中です。
私が行ったのは前期だったんですが、後期からは一部展示替えもあります。
この後期の目玉といっていい仏像が。このチラシ、フライヤーの右側にあります。
中宮寺の菩薩半跏像。僕、これを見に行ったんですけど、勉強不足で行ったら、いや、これ後期きですって言われて、係の方に。出てなかったんですよ。
でももう1回行くのが楽しみができて、なんかこの1時の菩薩半跏像はね、はい、めちゃめちゃ美人さんで、はい、ちょっとね、こっちはね、山口百恵さん的なね。
これは僕の意見ですよ。個人の見解ですけど、そんな美しさがある。
確かに。でもすごい。美術の教科書に載るぐらいの美しい仏像様なので、後期にもう1回行きたいと思っております。
奈良国立博物館の超国宝祈りのかがやきの詳しい内容などは博物館の公式ホームページを見ていただきたいと思います。
大型連休でちょっと空いたと思うんで、よければ足運んでください。
