スルメイカが消えた理由|海水温で魚が大移動、食卓はこう変わる

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なぜ、スーパーの魚が変わったのか? 「30年の常識」が海で起きてる大変動、わかりやすく解説します

はじめに:食卓の違和感、実は「大事件」が起きてるんです

ねえ、気づきませんか?

ここ数年、スーパーで見かける魚がごっそり変わったんですよ。

「あれ、スルメイカ、いつからこんなに高くなった?」「秋のサンマが昔ほど積み重ねてない…」「あ、ブリが増えてる?」

こういう違和感、主婦ならぜったい感じてるはず。食卓を預かる身だからこそ、季節の変化に敏感ですよね。

でもね、これ、単なる「あ、ちょっと減ったな」じゃないんです。

実は日本の漁業で、30年間続いた「常識」がぶっ壊れる、ものすごい大事件が起きてるんですよ。

「魚の大入れ替わり現象」です。

昔の食卓を支えてくれた魚たちが、消えゆく。その代わり、新しい魚が大量にやってくる。それも、経済や地元産業までをも巻き込んで。

「へえ、そんなことになってるんや…」という驚きと、実は地味に生活に影響してくる話なんです。

今日は、データと、リアルな経済の話を交えて、この「海の大変動」をわかりやすく解説しますね。


第1章:消えた魚たち ~昔は「30万トン」が今は「2万トン」~

スルメイカ:40万トンから2万トンへ、ほぼ消滅

覚えてますか?

1996年、スルメイカの漁獲量は40万トンを超えていました。

いまから30年前ですよ。その当時、スルメイカは日本の漁業で最も獲れる水産物の一つでした。

何がすごいって、あの頃のスーパーの鮮魚コーナーは、どこもかしこもスルメイカだらけだったんです。

刺身、煮物、焼物…惣菜として。塩辛や珍味として。庶民の家の食卓に、ほぼ毎週登場する魚。価格も安い。栄養もある。「お母さんの味方」だったんですよ。

ところが。

2016年以降、漁獲量がめっきり減って、2024年度には1.8万トンまで落ち込みました。

つまり、28年で、22万トン消えたんですよ。

想像つきますか?この規模のロスって。

筆者も最近、塩辛を買おうとして「あ、もう売ってない」「あ、あったけど…高い…」という経験、何度もしてます。昔は3個パック298円くらいだったのが、今じゃ1個で500円近い。内容量も減ってる。

これね、単なる「不漁」じゃなくて、資源そのものが激減してるんです。

サンマ:「秋の定番100円」は遠い昔

次、サンマです。

秋になると、スーパーに積み重ねられて「1尾100円!」とか「特価!」って書かれてた、あの魚。

覚えてます?「秋刀魚」って書いてある理由は、秋に旬を迎えるから。江戸時代から「秋の味わい」として日本人に愛されてきた魚ですよ。

かつては、全国で20~30万トン、毎年安定して獲れていました。

それが。

2022年には1.8万トン、2024年度は5万トンを切りました。

ピーク時の6分の1ですよ。

秋に「1尾100円」でご飯の友に…という時代は、もう二度と来ないんです。


第2章:海で起きてる「魚の大入れ替わり」~温暖化が引き起こした異変~

ここからが、本当にくらいくる話です。

消えた魚がある一方で、大量にやってきた魚がいるんです。

それが、ブリとマイワシ

マイワシ:「66万トン」で日本最多に躍り出た

マイワシって、聞いたことあります?

イワシの仲間で、スーパーの鮮魚コーナーでも見かけるのっぺっ子い魚。味は地味だけど、栄養満点。佃煮とかフライとか、加工品としても出回ってますね。

2024年、マイワシの漁獲量は66万6700トンになりました。

これ、日本全体で最も大量に獲れた魚です。

驚きませんか?スルメイカやサンマが消える一方で、マイワシがこんなことに。

でもね、これもまた面白いんです。

**実は1980年代、マイワシは「世界最大級の漁獲を記録した魚」だったんですよ。**1988年には449万トン。ものすごいですよね。

その後、資源が枯渇して、2000年代には10万トンを切る。価格も高騰して「マイワシが高級魚に?」とニュースにもなったくらい。

ところが、ここ数年で資源が急速に回復してきたんです。

その理由が…海が暖かくなったこと。

マイワシは、暖かい海を好む魚なんです。地球温暖化で日本近海の海水温が上昇すると、マイワシにとって「快適な海」が、北海道の道東やサハリン沿岸まで広がったんですよ。

栄養が豊富な海で、十分な餌を食べたマイワシが、ぐんぐん増えてるわけです。

だから、2023年には、マイワシの主な漁場が北海道の釧路沖に移り、漁獲量も跳ね上がった。

ここで重要なポイント:「獲れてる量 ≠ 本当の資源量」の罠

でも、ちょっと待ってください。

「66万トンも獲れてるんなら、儲かるじゃん」って思いません?

ところが、漁業者たちは、意外と獲ってないんです。

なぜだと思います?

実は、**マイワシは獲ろうとすればもっと獲れるんですよ。**推定では、資源量は400万トン超。でも、日本政府は漁獲量に「上限」を設けてるんです。

理由は簡単。あんまり大量に獲ると、値段が暴落するから。

魚の値段って、獲れる量に反比例するんですよ。獲れすぎると、市場に溢れて、買い叩かれる。漁業者の収入がヤバくなる。だから、政府と漁業者で「この量なら大丈夫」という目安を決めて、そこで抑える。

つまり、「漁獲量が多い = 資源が豊富」とは必ずしも言えないんです。

これ、結構な盲点ですよね。

ブリ:北海道に「上京」してきた魚

最後の主役が、ブリです。

ブリって、ご存知ですよね。最高級の刺身として有名な魚。クロマグロと並ぶ、ちょっと高級な印象の魚。

かつてブリは、日本の中部以南の海、瀬戸内海や九州沖が主な生息域でした。だから「ブリの産地といえば富山県」とか、そういう話だったんです。

ところが。

ここ数年で、ブリが北に逃げ出してるんですよ。

北海道の沖まで。オホーツク海まで。

そして、北海道の漁獲量がえらいことになってます。

ここ10年で、ブリの漁獲量は倍になった。2024年には北海道が全国トップの産地になったんです。昭和の感覚では「え、北海道でブリ?」ってなりますよね。

「定置網」という不幸な出会い

ここで起きた、ちょっと可哀想な話があるんです。

北海道の秋といえば、サケ漁です。

秋になると、サケが川に上ってくるのを待つために、漁師たちは「定置網」という仕掛けを海に置くんですよ。昔からの、伝統的な漁法です。

ところが、ここ数年。

この定置網に、サケじゃなくてブリが大量に掛かるようになった。

漁師の心情としたら…複雑ですよね。「サケを待ってたのに、ブリが来ちゃった」みたいな。

でも、経済的には「ブリは高く売れるし、まあいいか」という感じで、徐々に対応してるみたいです。


第3章:経済まで変わった ~加工場まで「魚の転換」を迫られてる~

ここからが、本当に面白い(そして地味に大事な)話です。

魚が変わると、産業全体が変わる。

北海道の加工場が「サケからブリ」へシフト

北海道、特に道東の地域は、塩蔵サケ(塩漬けにしたサケ)やイクラの加工で栄えてきた地域です。

50年、100年と、その技術を磨いてきた。職人さんたちが、代々受け継いできた技術。

ところが。

サケが激減する一方で、ブリが大量に獲れるようになったから、加工場の方針を変えざるを得ないんですよ。

「あ、これからはブリの切り身とか、ブリの照り焼きとか、そっちに力を入れようか」みたいな感じで。

想像つきますか?世代を重ねて守ってきた伝統が、海水温上昇の一言で変わっちゃう。

地元の経済にとったら、これはかなり大きな転換です。

スルメイカ不漁で、加工業者が息してない

同じような話が、スルメイカ業界でも起きてるんです。

塩辛、珍味、燻製…スルメイカを使った加工品業界は、日本の食品産業の中でも、けっこう大きな産業だったんですよ。

ところが。

2024年の漁獲量が1.8万トンですよ。

昔は40万トン獲れてたのに、今はその20分の1。

当然、原料不足。加工業者たちは「使う材料がない」という悲鳴を上げてます。

価格も上がるから、消費者も買いにくくなる。負のスパイラルですよね。


第4章:なぜこんなことが起きてるの? ~海水温上昇という「見えない敵」~

さて、ここまでの話を聞いて、「なんでこんなことになってるの?」って思いますよね。

答え:海が暖かくなってるから。

潮流の変化と、海水温上昇

地球温暖化で、日本近海の海水温が上昇してるんです。

すると、魚たちは何をするか?

自分たちにとって快適な水温を求めて、移動するんですよ。

高い水温を好む魚(ブリ、マイワシ、サワラとか)は、どんどん北上する。

逆に、低い水温を好む魚(サケ、サンマとか)は、生息域が狭まっちゃう。

加えて、黒潮や親潮といった「海流」の流れが、いつもと違う進路を取るようになった。

この複合的な原因で、日本近海の魚たちの分布が、劇的に変わっちゃってるわけです。

サケが可哀想な理由

特に可哀想なのが、サケです。

サケって、北の冷たい海で育つ魚なんですよ。だから北海道の冷たい海が、サケにとって「故郷」。

ところが、その故郷の海が暖かくなっちゃったから、サケは川に遡上するのが難しくなってるんです。

想像してみてください。「帰ろう」と思ってるのに、海が暖すぎて、自分たちの体温調整ができなくなっちゃう感じ。

だから、北海道の秋サケ漁獲量は、10年前と比べて70%減ったんです。

1995年~2002年は、全道で10~20万トン獲れてたのに、2024年度は5万トンを切ってます。

つまり、北海道の漁師さんたちが「秋といえばサケ」と思ってた時代は、もう終わっちゃった。


第5章:でも、これからどうなるの? ~主婦として知っておくべき「新しい常識」~

ここまで話を聞いてたら、「えー、じゃあ、これからの食卓ってどうなるの?」って不安になりますよね。

スルメイカは戻るの?

正直なところ、今のところ、スルメイカが昔みたいに40万トン獲れる状態には、戻りそうにないです。

漁業の専門家たちも「資源回復には、あと10年以上必要かもしれない」みたいなことを言ってます。

だから、主婦目線では、**「高い塩辛は今後、ご馳走のカテゴリーで考えておいた方がいいのかな」**って感じですね。

ブリやマイワシはどうするのか

一方、ブリやマイワシは、しばらく豊漁が続きそうです。

特にマイワシは、現在「獲ろうと思えばもっと獲れるけど、値段を下げたくないから、抑えてる」という状態。

つまり、今のところ、資源的には安定してるんですよ。

だから、今後の食卓は、「秋のサンマ」「冬のサケ」という昔の常識から、「ブリが増える」「イワシが定番になる」という新しい流れに適応していくことになるのかな、と。

勘違いしやすいポイント:「漁獲量が少ない = 資源が少ない」じゃない

最後に、ここだけは絶対に知っておいてください。

「獲れてる量が少ない」と「資源が本当に少ない」は、必ずしも一緒じゃない。

政府や漁業者の判断で、わざと「漁獲制限」してることもあるんです。

だから、「スルメイカが獲れなくなった = スルメイカが本当に絶滅しそう」ではなくて、「スルメイカの資源が低迷してるから、今は獲るのを控えてる」という感じ。

逆に「マイワシが大量に獲れてる」ことも、「そこまで獲っちゃっていいのか?」という懸念の声もあるんですよ。

つまり、漁業って、単純な「多い少ない」では判断できない、かなり複雑な世界ってわけです。


終わりに:30年の「常識」が変わる時代だからこそ

いかがでした?

「へえ、そんなことになってるんや…」という驚きと、「あ、だからスーパーで見かける魚が変わったんだ」という納得感、両方あったんじゃないかと思います。

これからの日本の食卓は、確実に変わります。

昔のように「秋はサンマ」「冬はサケ」という固定観念で買い物してたら、高い思いをするかもしれません。

逆に、ブリやマイワシは、これからの「新しい定番」になるのかもしれない。

地元の加工場も、伝統を守りながら新しい魚種に対応していく。漁師さんたちも、新しい漁法や魚種への転換を迫られてる。

つまり、海が変わることは、地域経済が変わることであり、私たちの食卓が変わることなんです。

それは、ちょっと大変なこともあるけど、同時に「新しい魚の美味しさを発見できる機会」でもあるんですよ。

ブリだって、実は最高級の刺身。マイワシだって、工夫次第で絶品になる。

だからこそ、「あ、魚が変わった」って気づいたあなたは、実は日本の海で起きてる大事件に気づいてる、かなり敏感な主婦なんです。

今度、スーパーで魚を選ぶ時は、ちょっと思い出してください。

「あ、このブリ、北海道で増えてるやつか」「マイワシ、昔より大量に獲れてるんだ」みたいな感じで。

そしたら、食卓の話題も、一段階、深くなるんじゃないかな。

居酒屋で友人に「ねえ、聞いて。実はね…」って話しかけるのもいいかも。

海は変わる。でも、その変化を知ることで、私たちの日常もちょっと豊かになるんです。


記事作成時点(2026年4月20日)の最新情報に基づいています。データや状況は今後も変わる可能性がありますので、ご了承ください。


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