LDLコレステロール・HDLコレステロール・中性脂肪のうちいずれかが基準値を外れている
「脂質異常症」。
自覚症状がないため放置してしまいがちですが、そのまま放っておくと将来的に高い確率で
心筋梗塞や脳梗塞などの重篤な病を引き起こす恐れがあるのだとか。
そこで今回は、脂質異常症の予防・改善法を専門医に教えてもらいました。
脂質異常症の基礎知識
<LDL・HDLコレステロールとは?>
・LDLコレステロール(悪玉)
LDLコレステロールは、肝臓で作られたコレステロールを身体中に運ぶ働きがあります。
本来なくてはならないものですが、増えすぎるとコレステロールが血管に溜まって動脈硬化の原因になるため
「悪玉」とも呼ばれています。
・HDLコレステロール(善玉)
HDLコレステロールは、身体に溜まった余分なコレステロールを肝臓に戻し血管内をきれいにしてくれる働きがあります。「善玉」とも呼ばれています。
<LDLコレステロール(悪玉)が上昇する原因は?>
・動物性脂肪の摂り過ぎ
脂質には大きく2つの種類があります。1つは、肉などの脂に含まれる「飽和脂肪酸」。
もう1つは、植物や魚に含まれる「不飽和脂肪酸」です。
見分け方は、常温で固まるか固まらないか。固まる脂(動物性脂肪)を摂り過ぎると、
LDLコレステロールが上がりやすいそうです。
・女性は更年期以降に注意!
女性の場合、20~30代までは女性ホルモンの影響で血管が守られる傾向にあるそうです。
しかし、40~50代を過ぎて閉経後になると女性ホルモンの分泌が減るため、LDLコレステロールが上がりやすくなってしまうのだとか。
そのため女性は更年期以降特に食生活に注意が必要だそうです。
今日から話せる「脂質異常症」の新基準 総悪玉コレステロール知ってます?
総悪玉コレステロールが高かった男性、その原因は大量のうどんとアルコール。アルコールや炭水化物は、中性脂肪に変化しやすい栄養素。炭水化物とアルコールの過剰摂取で中性脂肪が高くなった為だと考えられる。
忍び寄る「脂質異常症」の恐怖!誰でもできる予防・改善法を名医が伝授!
コレステロールの摂り過ぎに注意!
脂質異常症で気をつけたい栄養素について、コレステロールが食べ物の中に多いとLDLコレステロールが
上がりやすいという。日頃気をつけるべき食材は焼き鳥を例にチェックしていく。
出演者3人に、7種類から好きな串を3本選んでもらう。
高島は、ササミ・もも・うずらを選ぶ。坂下は、レバー・ハツ・砂肝を選ぶ。石丸は、つくね・ササミ・うずらを選ぶ。この中で100gあたりの量でコレステロールが一番多い組み合わせは、坂下でコレステロール730mgになる。
一番少ないのが石丸で621mg、高島は623mgだった。一般的な焼き鳥は約30g〜40gなので、この3分の1程度となる。LDLコレステロールが高い脂質異常症の方は、1日の接種でコレステロールを200mg以下に抑えるよう言われている。
毎日は大変なので、コレステロールを多めに食べた日は次の日に注意するなど、1週間をトータルでメリハリをつける事が脂質異常症の管理では大事だという。
脂質異常症の予防・改善につながる4つの方程式を紹介。
1つ目は、肉を食べたら次は魚。
魚は一般的にコレステロールを上げる方向には働かず、場合によってはLDLや中性脂肪を下げてくれることがあるという。魚に含まれるEPAやDHAは、血中のコレステロールや中性脂肪を減らすことがわかっている。
最初は肉と魚を交互に食べ、徐々に魚を増やしていくように促した。
2つ目は、副菜は野菜や海藻を。野菜や海藻の食物繊維は、余分なコレステロールや中性脂肪を排出したり小腸での吸収を抑えるという。さらにオススメは最初に食べること。
3つ目は、大豆を生活にちょい足し。大豆に含まれる大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た成分が含まれていると言われており、コレステロールや中性脂肪を上がりにくくなるという。サラダに蒸し大豆を足したり、週2回おつまみを豆腐にしたり、朝1杯の豆乳など日常生活にちょい足しするだけで女性ホルモンの補助に役立つ。
4つ目は、週3日のウォーキング。有酸素運動はHDL・善玉コレステロールを増やすというデータもある。週3回1日30分のウォーキングを目指すよう促した。
この4つの方程式をベースに、男性と女性にコレステロールを下げる生活に1ヶ月間挑戦してもらった。アルコールは、HDLコレステロールを増やすという赤ワインを1日1杯だけOKとした。
大切なのは無理なく続けること。量は魚や副菜で補い大豆製品を常に添え、
1週間に3日30分のウォーキングも実施。
その結果、体重は減少。そして中性脂肪が減少し、男性は半分以下に減少した。
しかしLDLコレステロールは少し上がっていた。
でもこれは良い兆候とのこと。中性脂肪が高かった人の数値が下がると、分解されたものがコレステロールの原料になることがあり、身体が変化を遂げている途中だという。