肥満を改善する! 痩せる体づくり~体内時計リセット術
今日のテーマは「体内時計」です。
秋に増える肥満には、体内時計のズレが一因とされています。
体内時計の研究は、2017年のノーベル生理学・医学賞でも取り上げられました。
運動も食事もきちんとしているのに、なかなか痩せない……。
その原因は、もしかしたら「体内時計」のズレかもしれません。
体内時計に合わせた生活を送り、このズレをきちんと正せば、太りにくくなります。
さらに、体内時計のズレを正すことで、さまざまな病気の改善につながることもわかってきました。
今回は、体内時計をリセットする方法を専門家に教えてもらいました。
体内時計の基礎知識
<体内時計とは?>
体内時計とは、朝起きて、夜眠るという1日のサイクルのリズムのことです。
体温や血圧、ホルモンの分泌などにも影響します。
先生によると、人間の体内時計は24時間より数十分長いので、意識的に体内時計をリセットしないと、だんだん後ろにずれていくそうです。
<体内時計が狂うとどうなる?>
体内時計がずれ、そのずれが蓄積されると、ホルモンや自律神経のバランスが崩れ、体調不良を引き起こします。
肥満もそのひとつで、実際の時間と体内時計のズレを放置すると、ホルモンの分泌が抑制されて脂肪が燃焼しにくくなり、結果的に太りやすい体質になってしまうのだそうです。
<体内時計はどこにある?>
先生によると、体内時計は2種類あり、脳にある「親時計」です。
親時計は、臓器や皮膚、血管などにある子時計を調節しています。
体内で1日のリズムを刻み、体温、血圧、ホルモン分泌などを司っています。
ズレが発生・蓄積すると、体調不良や肥満の原因になります。
肥満を改善する! 体内時計リセット術とは?
体内時計の正常化を肥満治療に活用した事例として、体重67.5kgの38歳女性が、食事や運動習慣を直接変えずに1年半で約5kgの減量に成功した事例を紹介します。
番組では、太っている3人の挑戦者に、体内時計を調整することで減量することを体験してもらいました。
事前の健康診断では、肥満に加えて脂質異常症などの所見がありました。
体内時計が調整されないと、1日が24時間より少し長くなり、その時間差が蓄積される。
体内時計を整えるには、朝起きて太陽の光を浴びることが一番です。
ほかにも、朝食に食べるといいことがあるそうです。
番組では、太り気味だった3人の挑戦者が体内時計を整えることでダイエットに挑戦しました。
朝食のポイントは、炭水化物を摂って血糖値を上げること。
インスリンが分泌され、体内時計が朝型に戻る。また、朝はたんぱく質が吸収されやすいので、たんぱく質をしっかり摂るとよいでしょう。
夜は少なめの食事にすると体内時計が刺激されず、ダイエットに効果的です。
その他、カフェインを含むお茶やコーヒーは夕食後は控える、運動は夜ではなく夕方に行うなど、工夫が必要です。
夜勤などで起床・就寝が不規則な人の体内時計に関する対策について、専門家に伺いました。
起床後1時間以内にしっかりと朝食を摂り、寝る前のスナック菓子やお茶を控えることが効果的とのことでした。
肥満を改善!?2週間体内時計をリセットしてダイエット
3名のチャレンジャーが体内時計調整を使った2週間ダイエットに挑戦しました。
挑戦者の中には、朝起きて太陽の光を浴びる、朝食をしっかり食べるなどの基本的なことを取り入れた人もいれば、夜に運動する人もいました。
3人の挑戦者は、体内時計調整を利用した2週間のダイエットに挑戦しました。
挑戦者3名は、無理なくダイエットを続けることができ、不眠症や体調不良が改善されたとのこと。
日光を浴びること、朝食を食べることの2つさえ守れば、継続できるとのことでした。
まとめ
痩せ体質を作る! 体内時計リセット術
(1)朝の光を浴びる
朝起きて、目から脳内の親時計に光が届くと、睡眠ホルモンの分泌が止まり、親時計がリセットされます。そのため、朝起きたらカーテンを開けて光を取り入れることが大切です。まずは朝の光を利用して、親時計を実際の時刻に合わせましょう。
<NG行動(1)「布団でゴロゴロする
いつまでも布団の中で、光を浴びずにいると、親時計をリセットできなくなります。
(2) 朝ごはん
食事をすると、主に炭水化物の働きで血糖値が上がり、インスリンが分泌されます。
インスリンは体内時計をリセットするので、朝食には炭水化物が欠かせません。
先生によると、炭水化物と一緒にたんぱく質を摂ると、体内時計がより整いやすくなるそうです。
しかも、朝はたんぱく質が吸収されやすい。
筋肉量が増え、脂肪燃焼も期待できる。
また、親時計は光によって朝を教えられますが、子時計は朝食をとらないと教えられないので、夜勤の人は起床後1時間以内に朝食をとることをおすすめします。
<体内時計をリセットする理想の朝食
和食では、体内時計を整える働きのあるDHAやEPAを含む青魚がおすすめです。
ご飯(雑穀米)、卵焼き、納豆、味噌汁と一緒に食べるのがおすすめです。
洋食の場合は、卵、ソーセージ、牛乳、ヨーグルトなどをパンと一緒に摂るのがおすすめです。
(※持病のある方は、かかりつけのお医者様にご相談ください)
<NG行動2:「朝食を食べない」>。
朝食を食べないと体内時計がリセットされないと言われています。
(3)夕食
朝は重要な炭水化物ですが、夜は体内時計のズレを生じさせると言われています。
夜間はインスリンの効きが悪くなるため、血糖値が高くなり、脂肪が蓄積されます。
そのため、血糖値が上がりやすい夕食の炭水化物の量を減らせば、体内時計に影響を与えにくくなり、ダイエットに効果的です。
また、夜間の間食は血糖値を上げるので、食べるなら夕食前にしましょう。
<夕食が遅くなる場合は、「分量」を目安に。
夕食が遅くなる方には、「分食」がおすすめです。夕方におにぎりなどの主食を食べて、帰宅後に血糖値の上がりにくいおかずや副菜を食べると、体内時計が狂いません。
<NG行動3:夜遅くに重い夕食を食べる
遅い時間に重い夕食を食べると、体内時計がズレると言われています。食事が夕食に偏らないよう、同じ時間に2回に分けて食べるように心がけましょう。
<NG行動④:夕食後にカフェイン飲料を飲む
緑茶などのカフェイン飲料を夕食後に飲むと、交感神経が活性化し、体内時計が狂うので要注意です。
逆に朝に飲むと体内時計がリセットされるので、飲むなら朝がよいでしょう。
(4)運動する
体内時計の働きによって、運動をするのに有効な時間帯があります。
筋トレをするなら、おすすめは夕方です。
この時間帯は体温が高いので、脂肪を燃やし、筋肉をつけるのに効果的なのです。
また、夕方に早足でウォーキングをするのもよいでしょう。
<寝る直前に激しい運動はしない。
眠る直前に筋トレなどの激しい運動をすると、交感神経が活発になり、体内時計が狂ってしまいます。