皮膚は、外敵の侵入を防ぐバリア機能、内臓の異常を知らせるアラーム機能、ウイルスや細菌からの感染を防ぐ免疫の要など、さまざまな機能を持っていると言われています。しかし、非常にデリケートで、これからの季節は紫外線によるダメージで免疫力が低下してしまうことも。そこで今回は、体を守るスーパー臓器である「皮膚」の意外な働きと、その機能を守るためのケア方法について、専門医に教えていただきました。
今回は、外敵の侵入を防いだり、内臓の異常を知らせたりと、さまざまな役割を持つ皮膚についてご紹介します。
“体重70kgの成人男性の場合、皮膚の総面積は何畳か?”というクイズが出題されました。正解は15畳でした。正解は、毛穴や汗管も含めた総面積で15畳でした。皮膚の総重量は約10kgで、体重の約1割を占める。
体を守るスーパー臓器【皮膚】外敵の侵入を防ぐバリア
皮膚は表皮、真皮、皮下組織に分けられ、表皮の外側は角質層という膜で覆われています。腕の裏にセロハンテープを貼ってはがすと、テープに付着している白い物質が角質層です。角質層は、アレルゲンやウイルスの侵入を防ぐ役割があり、約10層で構成されています。
体を守るスーパー器官[皮膚] 水分が外に流出しないようにするバリア
角質層は、体内の水分が外に漏れるのを防ぐ役割も担っています。角質層は、お風呂で体を洗ったときに出てくる汚れの層で、外部からの刺激に弱いという特徴があります。そのため、体を洗うときにゴシゴシと洗うと、バリア機能が低下すると言われています。また、年齢を重ねると下半身が乾燥しやすくなり、角質層がはがれやすくなります。
体を守るスーパー器官【皮膚】 感染症を防ぐ免疫力の要。
<全身の免疫細胞を活性化させる司令塔、ランゲルハンス細胞>
皮膚を形成する表皮には、表皮全体の2〜5%を占める「ランゲルハンス細胞」と呼ばれる免疫細胞が存在します。ランゲルハンス細胞は、全身の免疫細胞を活性化させる司令塔の役割を持ち、各細胞が突起を互いに伸ばして網目状のネットワークを形成して異物を検知した後、他の免疫細胞に命じて撃退させる。
一方、皮膚免疫力が低下すると、細菌感染による発疹、白癬菌による水虫、ウイルス感染による帯状疱疹や口唇ヘルペスなど、さまざまな感染症にかかるリスクがあります。
<皮膚免疫力が低下する原因は何ですか?>
肌免疫の原因には、ストレス、加齢、紫外線などがあります。これからの季節、特に気をつけたいのが「紫外線」。ここでは、紫外線を防ぐための基本的なポイントをご紹介します。
1.紫外線が強い時は外出を控える、
2.日陰を利用する、
3.日傘や帽子を利用する、
4.日焼け止めクリームの正しい使い方を知っておく、
5.紫外線が強い時は日焼け止めクリームの使用を控える、です。
今回は、スタジオでの日焼け止めクリームの正しい使用方法について、講師が解説します。
<日焼け止めの正しい塗り方
日焼け止めクリームについて、女性2人は「使っている」と回答し、石丸さんは「使っていない」と回答しました。使用する日焼け止めクリームの適量は、クリーム状ならパール2個分、液状なら10円玉2個分だそうです。また、1回ではムラなく塗れないので、2回塗るのが良いとのことでした。まず、額、鼻の上、両頬、あごに塗ると、ムラなく塗りやすくなるそうです。腕は、直線で塗り、手のひらで螺旋を描くように伸ばします。
体を守るスーパー器官である皮膚は、病気を知らせるアラームでもあります。
皮膚は全身を映す鏡と言われ、体調が悪いと皮膚に現れると言われています。ここで、「まぶたの一部が膨らんで黄色っぽくなるのは、体内のある数値に異常がある症状です」という問題が出されました。
正解は「コレステロール値」です。
コレステロールが高いと、処理しきれずに血管からコレステロールが漏れてしまいます。
手にはしこりが、足には火傷のような傷がある写真が映し出された。
これは糖尿病のサインだそうで、手の場合、糖尿病による血管の異常で手の血管に傷がつき、しこりができやすくなるそうです。また、内臓の異常が皮膚に現れることもあり、2枚の写真が紹介され、1枚目は血管が蜘蛛のように浮いているのが蜘蛛状血管腫で、肝臓が悪い人によくできるそうです。
2枚目は、全身にイボがどんどん増えていく写真で、内臓にがんがある可能性を示しています。大腸がんや胃がんになると、内臓の上皮が増殖し、その時の成長因子が皮膚にも作用してイボが増えるのだそうです。
体を守るスーパー臓器【皮膚】 暑さ・寒さの体温調節機能
動物の中で、汗をかくことができるのは馬と人間だけです。汗は蒸発するときに熱を奪って体温を低く保ち、乾燥も防いでいます。汗をかかないと体が乾燥してしまうので、運動をして汗をかく習慣をつけることで、体に汗をかかせることが必要です。
体を守るスーパー器官【皮膚】: 健康を保つための3つの方法
肌を守るための簡単な3つの対策をご紹介します。
1.エアコンを適切に使用する。
湿度を40〜60%に保つことが重要です。湿度が40%未満になると、乾燥肌に伴う悪影響が大きくなります。また、湿度が60%を超えると、カビや細菌が繁殖しやすくなります。
そのため、湿度は40〜60%に保つことが推奨されています。これからのジメジメした季節を快適に過ごすために、室内の湿度管理には気をつけましょう。
2.体をやさしく洗う。
ナイロンタオルでゴシゴシ洗うのは、バリア機能を低下させるのでNG。人間の皮膚はターンオーバーによって常に作られており、古い皮膚は自然に剥がれ落ちるので、皮膚は自ら不要なものを排出してくれる。体を洗うときは、必ず柔らかいタオルを使い、やさしく洗うようにしましょう。
3.お風呂は40℃以下の温度で入って、乾燥を防ぐ。
40℃以上の熱いお湯は、肌のうるおいを守る皮脂膜や細胞間脂質を溶かし、乾燥の原因になります。また、血液の循環が速くなることで、かゆみの原因となる成分「ヒスタミン」が分泌されやすくなります。かゆみがあるからといって体を掻くと、角質層を傷つけてしまうので、熱いお湯は避けたほうがよいでしょう。お風呂から上がったら、肌が乾燥する前に外側から保湿することが大切です。