今日お伝えしたい本なんですけれども、5月に母の日がありました。そして6月は父の日がありますので、何かと親について考える機会でもあるかなと思ってこの本をご紹介しようかなと思うんですけども、まさに親っていうのはどういう存在として何か影響を受けたなって思うことありますか?
そうですね。あの本当ね、なんだろうな。親子ってそれしか知らないでしょ。だから自分の親しかわかんないので、まあ、よくオカンに昔怒られた。あんまりそういうタイプなかった。今でも未だに何かあったら電話してくるもんね。そうなんだか面白いね。
それぞれですけれども、私も結構影響は良くも悪くもあって、陸上競技を一生懸命やったのも親の影響かななんて思うわけですよね。今は逆に子供の親ですから。自分の影響がどう子供に与えてしまったのか、いろいろ考えさせられる日々なんですけれども、
「母という呪縛 娘という牢獄」
今日、紹介したい本はこちら。タイトルがね「母という呪縛 娘という牢獄」という、なかなかショッキングなタイトルなんですね。この本は実際に起きた娘が母親を殺した殺人事件について書いたノンフィクションなんですよ。まずこの表紙見ていただきたいんですけども薄いグレーの背景でして、手のひらで触ってみますとざらっとします。表面がつるっとしていないんですね。そして、その薄いグレーを背景に、ピンク色の娘と思われる女性と母親らしき女性がひしと抱き合ってる.隙間なく抱き合ってるんだけれども、その紫の母親らしき人にブスっと凶器が突き刺さっているという表紙になっているんです。
著者の齊藤 彩さんは、丁寧に取材し、ノンフィクションで描いたものです。
「母という呪縛 娘という牢獄」というタイトルです。事件は2018年3月でした。滋賀県守山市野洲川の河川敷で。両手、両足頭部を切断された体幹部だけの遺体が発見されたことから始まるんです。遺体は激しく腐敗していまして、発見当初、人間のものか、動物のものかさえ判別が難しい状態だったんですね。その後の捜査で遺体は近所に住む58歳の女性のものと判明しました。その女性は20年以上前に夫と別居していて、一緒に暮らしていたのは31歳の娘。娘と2人暮らしだった女性の遺体だった。
母と娘の間に一体何があったのか?
その娘なんですけれども、進学校出身、そして。医学部合格をめざして九年間の浪人生活9浪を経験して、遺体発見から三ヶ月後、警察は死体遺棄容疑で娘を逮捕するんです。母と娘の間に一体何があったのか?この著者は徹底的に取材し、ノンフィクションで描き上げたんですけれども、描き上げたのは当時、共同通信社の司法担当の記者だった齊藤 彩さんなんですよ。
事件について加害者側から深く掘り下げて取材しているので、
その娘に何度も何度も面会した。なぜその加害者側から取材しようと思ったのか理由なんですけども、今後同様の事件を防ぐためにもどんな背景があって加害者となってしまったのかを調べることで取材し、伝えることに意味があるのではないかと考えた.。そうなんだ。
刑務所の中の娘と何度も面会し、何度も何度も往復書簡手紙のやりとりを重ねる中で、なぜ娘が母親を殺そうと思うに至ったのか、つぶさに描いています。母親の学歴に対するコンプレックスがすごくあったんですね。娘が医者になることを夢見て、鬼の様に厳しく教育して行くんですよ。もうまるで娘と自分が同じ同一化というか、娘に自分が憑依して自分ができなかったことを子供に無理やりやらせるかのように徹底的に娘を追い込んでいくという過程がつまびらかになっていくんですよね。
娘もそうなんです。期待に何度も何度も答えようと必死になるものの期待に、答えられなくて答えられない自分が辛くて許せなくて。母親も落胆して激昂して、なんで出来ないのって娘を追い込んでいくっていうね。もう本の中でね。母と娘が交わした会話、ラインのやりとりが克明に書かれていて、読んでいても本当に苦しくなっていくんですけれども。
娘の心に、大きな変化が訪れるんですよ。
でもね。最後に娘が逮捕され裁判にかけられるんですけれども、その中でね。娘の心に、大きな変化が訪れるんですよ。取り調べでもずっと殺人に関しては否定していたんですけれども、あることをきっかけに自らの罪を認めて、殺人罪で裁かれることになるんですけれども、この娘が罪を認めた理由。これがね、本当にあの読んでいて心を動かされました。あ、そうだったのかと。この娘が罪を認めた理由に。これこそ殺人に至らずに済んだかもしれないヒントが含まれているんだと思ったんですが、ぜひ本をよんで確認してほしいと思います。
まとめ
「母という呪縛 娘という牢獄」という本を紹介しましたけれども、改めてその親子って難しいなあ。私が考えた100あったらね、100通りあるって、何が正解か?ほったらかしすぎても良くないし、でもどこまで関わればいいのか本当これ?見守る子育てが良いっていうけどねそう、何て言うの?もうこれが正解だと思ってやっていかないとしょうがないしね。やるしかないし都度都度考えてこれいいかなっていう自分を振り返らなあかんなとちょっと思って本当に思いました。
著者紹介
齊藤 彩
東京生まれ。北海道大学理学部地球惑星科学科卒業。共同通信社入社。新潟支局を経て、大阪支社編集局社会部で司法担当記者。2021年退職。 |