経験者の声に耳を傾ける 危険な「夏の脳梗塞」対策
夏は脳梗塞の発症率が最も高い季節である。3年前の6月に脳梗塞を発症した前山さんは、リハビリを続けているが、いまだに後遺症が残っているという。当初、車から降りようとすると左足が麻痺して立ち上がれなかった。病院で脳梗塞と診断された。脳梗塞治療の専門家である森本医師によると、熱中症も原因のひとつだという。実は脳梗塞と熱中症は初期症状が似ており、両者を見分けるポイントを紹介する。また、最新の脳ドックについても解説する。
経験者の話を聞く 危険な「夏の脳梗塞」対策
本日のテーマは、脳卒中経験者の声を聞く「危険な “夏の脳卒中 “対策」。森本医師によると、気温が平均27〜29℃から32℃に上がると、脳卒中死亡率は1.66倍になるという。熱中症などの症状は脳梗塞のリスクを大きく左右する。
経験者が語る “夏の脳梗塞”、暑さに潜む落とし穴とは？
前山氏は3年前の6月に脳梗塞で倒れた。脳梗塞の前日、気温が30℃を超える暑い日に農作業をしていた。森本医師によると、脳卒中の原因は脱水症状だった。前山氏は農作業中にお茶を1杯しか飲まず、脱水症状で熱中症になった可能性がある。その結果、血液がドロドロになり、血管が詰まりやすくなっていた。夏バテと熱中症は症状がよく似ているので注意が必要だ。
意外と知られていない夏の脳梗塞と熱中症！判断のポイント
夏の脳梗塞と熱中症の共通点、脳梗塞の特徴的な症状を見ていく。熱中症の症状には、めまい、ふらつき、吐き気などがあり、これらは脳梗塞の症状と似ている。そのため、飲み物が口の片側から溢れるようであれば脳梗塞の兆候である。また、大脳の言語を司る部位が血栓で損傷しているため、意識はあるがしゃべれないという特徴もある。さらに、片方の目がカーテンをかけられたように見えにくくなったり、視界がぼやけたりしたら、脳卒中のサインである。この様な症状が出たら躊躇することなく救急車を呼ぶ必要がある。脳卒中のもう一つの原因は夏のストレスである。
経験者が語る「夏の脳梗塞」と日常生活におけるストレスの落とし穴。
暑さは体にとってストレスである。日常生活のストレスに暑さが加わると、脳卒中のリスクは高まる。宮澤さんは4年前の7月に左半身不随の脳梗塞を発症し、約半年のリハビリを経て日常生活を送れるようになった。発症当時は、連日の猛暑の中、子ども会や教育委員、自治体活動などを引き受け、多忙な日々を送っていたという。森本医師によれば、これもストレスだったという。精神的なストレスは自覚しているが、肉体的な疲労感もストレスであり、多くの人はその部分をストレスとは思わない。宮澤氏は、複数のストレスが重なり、身体に大きな負担がかかったのではないかと言う。人はストレスを受けると、副腎からストレスホルモンが分泌される。その結果、交感神経が優位になり、血管が収縮して血圧が上がる。これが長く続くと、脳梗塞のリスクが高まる。
脳梗塞の大きな罠 10分で消える症状
脳梗塞を発症したある女性は、唇の左側に違和感を覚えた。偶然にも彼女は数日前に応急手当の講習を受けていたので、病院に電話した。そして病院に運ばれた。唇の違和感は数分で消えたという。治療を受けたが、7日後に左半身が麻痺する症状が出た。これは脳梗塞の前兆である一過性脳虚血発作（TIA）で、脳梗塞に似た症状が数分間現れるものだった。実際、TIAの原因となる血栓は非常に小さいため、自然に溶けたり、流されたりして、症状はすぐに消える。この女性のように、より大きな脳卒中を起こす可能性もあるが、TIAの発症から1日以内に治療を行えば、その後の脳卒中のリスクを減らすことができると言われている。
経験者の話を聞く 危険な「夏の脳梗塞」対策
- 脳卒中の症状はなぜ左右どちらかの半身に起こるのですか？右脳は左手足を、左脳は右手足を支配しているため、どちらかの半身に症状が出ることが圧倒的に多いのです。
脳梗塞の兆候である「半身麻痺」をチェックする
FASTは、最初の3文字が麻痺を起こしやすい体の部位と症状を表している： Fは顔、Aは腕、Sは言葉を表す。顔は、口の両端が「イー」の姿勢で同じように動いていれば問題ない。麻痺が広がらない場合は、脳卒中や脳梗塞を疑う必要があります。
半身麻痺になったかを見分け方、 次に腕Aですが、両手を手のひらを上に向けて前に出し、目を閉じて10秒数えます。小指側が内側に回転したり、腕が広がったりしたら、麻痺の可能性があります。次にS字。顔の半分、舌、のどに麻痺があれば、うまくしゃべれない可能性がある。言いにくいときは、「パピプペポ」を試してほしい。何度繰り返しても言えない場合は、麻痺がある可能性があります。
そしてTはTime。早期治療の大切さを表しています。脳梗塞にはtPAという血栓を閉じて血流を回復させる薬が使える。しかし、脳梗塞発症後4時間半以内にしか使用できない。そのため、治療を受けられる患者は全体の1割程度にとどまる。森本医師が治療を行った時の写真。脳の血管に詰まった血栓が写っている。これは血栓除去術と呼ばれる治療法で、脚からカテーテルを挿入して脳に詰まった血栓を取り除く。
意外と知らない自分の脳、 脳ドックでわかる脳の状態とは！？
症状が出る前に脳の状態を知ることができる脳ドック。石丸さんや坂下さんも体験している。
血管障害を発見できる脳ドック！隠れ脳梗塞とは？
脳ドックとは、MRI検査などの精密検査により、脳梗塞や脳出血、認知症などの脳の病気のリスクを早期に発見する健診コースです。脳梗塞は発症する前に予防することが大切です。脳の血管障害はMRIなどの検診で発見されることが多い。森本院長の病院では、脳ドックを受けた患者の15％近くに脳梗塞につながる可能性のある血管障害があるという。また、軽度の脳梗塞も3％程度見つかるという。中村さんの脳は問題なかった。別の人の脳に白い斑点が見えることがある。これを隠れ脳梗塞という。
脳ドックで発見される隠れ脳梗塞とは？
隠れ脳梗塞（無症候性脳梗塞）とは、脳の細い血管が詰まり、小さな脳梗塞を起こす病気です。しかし、体に感じられる症状がない場合もあります。しかし、脳の血管が傷つくと認知症になることがあります。隠れ脳梗塞の患者さんのなかには、仕事で書類を間違えやすくなったり、しゃべりにくくなったりといった症状が現れた人もいます。また、脳ドックで隠れ脳梗塞を詳しく知ることができるMRAという検査がある。血管が立体的に映し出されるため、血管1本1本の詰まりや細りといった血管の異常を調べることができる。
経験者の声を聞く 危険な「夏の脳梗塞」対策
- 隠れ脳梗塞が見つかったらどうすればいいのですか？生活習慣を見直し、定期的に採血して数値をチェックすることが大切です。脳ドックは2〜3年に1回は受けるべきです。
