コロナ、インフルエンザと並んで気をつけたい病気に帯状疱疹がある。帯状疱疹は顔や体に帯状の水疱ができる病気で、80歳までに3人に1人が発症するといわれている。その帯状疱疹にかかる人が増えているといわれている。感染症の専門家である久住医師によると、子供の頃からの水ぼうそうウイルスは体内に潜伏しているが、免疫システムによって抑制されており、その抑制が効かなくなった時に発症するという。原因は、コロナのストレスで免疫力が低下すること、コロナにかかったことのある人は2割ほど発症しやすいといわれていること、高齢化社会で高齢者が発症しやすいこと、などである。
帯状疱疹の最も顕著な症状
- 帯状疱疹の最も顕著な症状は、水疱性の発疹です。この発疹は通常、体の一側に沿って帯状に現れ、特に胸部や腹部、背中、または顔の一側に現れることが多いです。発疹は赤い斑点から始まり、水疱として充満し、その後潰れてかさぶたができます。
- 神経痛：帯状疱疹のもう一つの主要な症状は神経痛です。感染が神経に影響を与えるため、発疹が現れる前から痛みや燃えるような感覚が感じられることがあります。この痛みは非常に骨の髄まで感じられることがあり、持続的で激しいことがあります。
- 発熱：帯状疱疹患者は発熱（高熱）を伴うことがあります。発熱は通常発疹が現れる前に始まり、疱疹の周りに炎症を起こすことがあります。
- 体の不快感：他の一般的な症状には体のだるさ、倦怠感、頭痛が含まれることがあります。
帯状疱疹の最も効果的な治療法は抗ウイルス薬で、
発疹が出てから3日以内に服用すれば、多くの場合は跡形もなく治癒する。しかし、痛みから症状が始まり、4〜5日で水疱が出現するため判断が難しく、治療が遅れることもある。
帯状疱疹の治療には、抗ウイルス薬、鎮痛薬、抗炎症薬、抗うつ薬、抗けいれん薬などが含まれることがあります。適切な治療法や薬物療法は、症状の重さや症状の部位によって異なります。帯状疱疹の早期診断と治療が重要であり、特に神経痛の予防や症状の軽減に役立つことがあります。医師の指導に従い、適切な医療アドバイスを受けることが大切です。
帯状疱疹（shingles）の治療には、いくつかの異なる種類の薬物が使用されることがあります。これらの薬物は、痛みの緩和、発疹の管理、ウイルスの増殖の阻止など、異なる役割を果たします。
予防法はワクチン接種である。現在2種類のワクチンがあり、
2020年から接種できるワクチンは効果が高いといわれている。新しいワクチンは不活化ワクチンで、ウイルスの毒性を完全になくした成分で作られており、比較的長期間効果が持続すると言われています。このワクチンは免疫不全の50歳以上を対象としているが、今年から発症リスクの高い18歳以上でも接種できるようになった。久住医師が勤務するナビタスクリニック立川では、不活化ワクチンを2回接種すると4万円以上かかるが、立川市では50歳以上を対象に1回につき1万円の即時助成を行っている。ワクチンが高額なため、東京都ではほとんどの自治体が助成を行っており、全国でも300以上の自治体が助成を行っている。帯状疱疹ワクチンはインフルエンザワクチンと同日に接種できるが、コロナワクチンは2週間あけて接種しなければならない。水疱瘡にかかったことのある人なら誰でも帯状疱疹を発症する危険性があり、ほとんどの症例は高齢者に起こるが、10代の若者でも発症する可能性がある。
何科を受診したらいいの
- 一般医師（家庭医）: 帯状疱疹の症状が初めて現れた場合、まずは一般医師や家庭医に受診しましょう。彼らは症状を評価し、適切な診断を下し、必要に応じて適切な治療法を提案します。
- 皮膚科医: 帯状疱疹は皮膚に関連した疾患であるため、皮膚科医が関与することがよくあります。特に帯状疱疹の症状が皮膚に現れている場合、皮膚科医は適切な治療法を提供し、発疹の管理を行います。
- 神経科医: 帯状疱疹に伴う神経痛が重篤な場合、神経科医の専門的なアドバイスや治療が必要となることがあります。神経科医は神経痛の治療に関する専門知識を持っています。
帯状疱疹（shingles）に伴う痛みは、個人によって異なり、
病状の重症度や治療のタイミングによっても影響を受けます。以下は一般的なガイドラインですが、注意が必要です。
- 急性期痛み（Acute Pain）: 帯状疱疹の痛みは通常、発疹が現れる前から始まり、発疹が活発に存在する期間にも続きます。この急性期の痛みは、最初には燃えるような感覚やピリピリとした痛みとして現れ、非常に強烈かつ不快であることがあります。急性期痛みは通常2週間から4週間続くことがあります。
- 後遺症痛み（Postherpetic Neuralgia）: 一部の帯状疱疹患者は、急性期痛みの後に後遺症痛みが続くことがあります。後遺症痛みは神経の損傷に起因し、帯状疱疹の痛みが治癒しても数か月から数年にわたって持続することがあります。この痛みは慢性的で、日常生活に大きな影響を与えることがあります。
帯状疱疹（shingles）自体は他人に直接うつることはありません。ただし、帯状疱疹の患者から水痘ウイルス（Varicella-zoster virus）に感染するリスクがあります。
水痘ウイルスは帯状疱疹と水痘の両方の感染症を引き起こすウイルスで、以下の2つの方法で感染が起こる可能性があります：
- 直接接触: 帯状疱疹の水疱を触ったり、水疱の内容物に触れたりすることで、ウイルスが皮膚からうつる可能性があります。これは他の人に水痘を引き起こす可能性があるため、特に免疫力の低い人々（免疫不全状態の患者、妊娠中の女性、乳児など）にとって慎重に扱う必要があります。
- 飛沫感染: 帯状疱疹の患者が咳やくしゃみをすると、ウイルスが飛沫感染によって他の人に広まる可能性があります。ただし、感染力は水痘に比べて低く、帯状疱疹自体を引き起こすことはまれです。
帯状疱疹の水疱が乾燥してかさぶたになるまでの期間（通常約2週間から4週間）が、感染のリスクが最も高い時期です。帯状疱疹の患者は、他の人に感染を広げないように感染拡大を防ぐための予防策をとるべきです。感染の広がりを最小限にするために、感染拡大を防ぐための手洗い、水疱を覆うこと、感染拡大リスクの高い人との密接な接触を避けることが重要です。また、帯状疱疹の水疱を触らないようにすることも大切です。
