冬の入浴事故を防ぐ「ヒートショック」の対策法とは? 高齢者の入浴中の事故死が増加!

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冬の入浴事故を防ぐ「ヒートショック」の対策法とは? 高齢者の入浴中の事故死が増える季節がやってきました。

今年は11月になっても、秋がなかなか深まらず、ちょうど1週間前の7日火曜は、東京都心で最高気温27.5℃と、100年ぶりに11月の最高気温を更新しました。しかし、それからたった1週間で、朝はグッと冷えるようになってきています。

13日月曜は、東京地方で「木枯らし1号」が吹くなど、この時期にしては強い寒気が列島に流れ込みましたが、寒気の影響は14日火曜も残るでしょう。気温の変化で、体調を崩さないよう、注意が必要です。

寒暖差がとても大きく、服装に迷った方も多かったのではないでしょうか。Twitterでは「寒暖差アレルギー」がトレンド入りしていて、体の不調を感じられた方もいたことと思います。

 

高齢者の「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数は、年間に7000人程度発生している。

「不慮の溺死及び溺水」のうち、家や居住施設の浴槽での死亡者数、つまり入浴中の急死者数が7割を占めており、2011年(平成23年)以降、交通事故による死亡者数を上回っている。

発生月がわかっている高齢者の入浴中の急死者数を見ると、11月から4月が多い(下図参照)。12月と1月が最も多い時期なので、特に注意が必要だ。

 

その原因のほとんどは「ヒートショック」です。

ヒートショックとは、温度の急変によって血圧が乱れて、脳出血や失神などの症状が起こる現象です。特に冬の入浴時には、寒い脱衣室や浴室から温かい湯船に入ると、ヒートショックが発生しやすくなります。 ヒートショックの症状には、めまい、吐き気、頭痛、倦怠感、動悸などが挙げられます。重症化すると、意識障害や心肺停止などの症状が現れることもあります。血圧の乱高下に伴って、脳出血や心筋梗塞などの病気が起こることもあるため、油断できない現象と言えます。

 

ヒートショックを防ぐためには、以下の対策が必要です。

  • 入浴前に脱衣室や浴室を暖める
  • 湯温は41度以下にする
  • 浴槽から急に立ち上がらない
  • 食後や飲酒後の入浴を控える
  • 精神安定剤や睡眠薬の服用後の入浴に注意する
  • 入浴前に同居者に声をかける

 

高齢者と同居している家族は、浴室や脱衣室の室温が寒くないか確認したり、入浴時間が長いと感じたら声をかけたりなど、手助けをすることが大切です。

日本気象協会の「ヒートショック予報」をチェックして、注意を促すというのも1つの方法です。 また、住宅の断熱性もヒートショックの予防に重要です。断熱性が低いと、浴室や脱衣室が外の気温の影響を受けて、室温が低くなります。室温が低いと浴槽の湯の温度を高くする傾向がありますが、室温と湯温の温度差が大きいほど、ヒートショックのリスクは高まります。 住宅の断熱リフォームは、入浴中の事故予防の根本的な解決策となります。東京ガス都市生活研究所の調査では、浴室の室温が低いと浴槽の湯の温度を高くする傾向があるという。浴室の室温と湯温の温度差が大きいほど、ヒートショックのリスクは高まる。やはり住まいの断熱性の向上は、入浴中の事故予防の根本的な解決策となるだろう。

 

家全体の断熱リフォームをすることが最も効果的だが、

予算的に難しいという場合は、浴室に暖房設備を設置するなど、支払える予算で可能なリフォームは何があるか検討してほしい。家全体の断熱リフォームをすることが最も効果的ですが、 断熱リフォームには、減税や補助金の優遇制度が利用できる場合があります。あらかじめ利用できる制度がないかを調べておくと、リフォーム費用を節約できるかもしれません。 冬の入浴事故は、ヒートショックの予防と住宅の断熱性の向上で防ぐことができます。高齢者の方も家族の方も、入浴時の注意点やリフォームのメリットを知って、安全で快適な入浴を楽しみましょう。

 

ヒートショック予報

ヒートショック予報は、気象予測情報にもとづく家の中でのヒートショックのリスクの目安です。お住まいの構造や設備、体調によって、健康への影響は異なります。入浴時には浴室や脱衣室を暖めるなど、温度差を少なくして過ごしましょう。(ヒートショック予報は、東京ガス株式会社および一般財団法人日本気象協会の登録商標です。)

 

まとめ

冬の入浴時には、暖房をしていない脱衣室や浴室は室温が低く、そこで衣服を脱いで全身を露出すると、急速に体表面から体温が奪われて血管が収縮し、血圧が急激に上がる。温かい湯船につかると今度は血管が拡張して、急上昇した血圧が一気に下がり、失神を起こして浴槽で溺れて亡くなるということが起こる。

なかでも高齢者は、血圧の変動が大きくなる一方で、寒さを感じにくい傾向があり、入浴前に浴室や脱衣室を暖めることが推奨されるという。

高齢者と同居している家族は、浴室や脱衣室の室温が寒くないか確認したり、入浴時間が長いと感じたら声をかけたりなど、手助けをすることをおススメする。日本気象協会の「ヒートショック予報」をチェックして、注意を促すというのも1つの方法だ。

 

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