スマホ依存が子供や若者の「急性内斜視」に、 元に戻らなくなり、手術が必要となるかも

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世界最高峰の眼科医が警鐘 ”スマホ依存”で現代人の眼が危険!?

日本の成人の平均視力は0.5になっている。クリチンガー・アワードを受賞した眼科医の

深作秀春氏は、スマホ内斜視に警鐘を鳴らす。

特に子供は眼の筋肉などの発達が不十分でスマホ内斜視になりやすいという。

画面に集中しすぎるとドライアイのリスクもある。

深作氏は1時間に1回ぐらい目を休ませる必要があると話した。

子どもや若者を中心に「急性内斜視」が問題視されている

子どもの黒目が、内側に寄っている状態、「内斜視」と呼ばれます。

今、子どもや若者を中心に「急性内斜視」が問題視されているといいます。

一体なぜなのでしょうか? 

「急性内斜視」とは、そもそもどんな症状なのか。

鳥取県米子市にある眼科クリニックで聞きました。

ふなこし眼科ペインクリニック 石倉涼子 副院長

「子どもや若い成人の方に急に起こる内斜視で、物が急に2つに見えたり、お子さんの場合

2つに見えると困るので片目をつむったりする症状が出てきます」

この急性内斜視は、増加傾向にあると言います。

なぜ今、問題視されているのでしょうか。

ふなこし眼科ペインクリニック 石倉涼子 副院長

「最近増加傾向にあるという報告が多く、小型のスマートフォンや携帯ゲーム機を長時間使う

ことで、急性内斜視が発症すると言われています」

スマホやゲームなどのデジタルデバイス。

どのように利用しているのか、親子や若者に聞いてみました。

親子

子「タブレットでYouTubeとか見たりする」

Qどんなの見てる?

子「ひめちゃんの。あとぱうぱう」

親「パウパトロールね。アニメを見ています。」

高校生

「長い時で9時間とかあります。配信とかを見ているので、配信は2~3時間余裕であるので、

そういうので長い時間見ちゃうのかもしれないです」

コロナ禍もあいまって、今では、タブレット端末が児童ひとりひとりに配布されている小学校も出てきました。

そして、急性内斜視を一度発症してしまった場合、元に戻らなくなったというケースも報告されていると言います。

ふなこし眼科ペインクリニック 石倉涼子 副院長

「デジタルデバイスの使用をやめて1か月くらいで回復する報告が多いですが、1回発症すると元に戻らなくて、

手術が必要になったという報告もありますので、気をつけていただきたいと思います」

急性内斜視にならないためには、どんな対策が有効なのでしょうか。

ふなこし眼科ペインクリニック 石倉涼子 副院長

「どうしても近くで、スマートフォンを見てしまいますが、30センチくらい距離を離して見ていただきたいです。

あと長時間の視聴が良くないと言われているので、20~30分近く見たら少し視線を外して遠方を見て、

目のピント合わせの時間などリラックスさせてあげるのがいいと言われています」

スマホやタブレットなどのデジタルデバイス。

正しい使い方を理解することが必要です。

「1日1時間以上スマホをみる子供は要注意」視力低下で後悔する前に親がやるべきこと

今年7月に文部科学省が公表した2020年度学校保健統計調査の結果によると、

裸眼視力が1.0未満の割合が小学生で37.52%、中学生58.29%で過去最多を更新した。

子どもの視力は確実に低下している。

「ここ5年ほどで、急性内斜視のお子さんが多くなったと実感しています」と話すのは、

鳥取大学医学部附属病院の眼科で弱視や斜視、小児眼科を担当する唐下千寿助教だ。

内斜視とは、左右の視線がそろわず、左右どちらか片方の眼が内側に入る状態を指す。

急に眼が内側に入ると、一つに見えていたものが二つに見えるようになる。

近年は、小児から30歳程度までの若者世代で内斜視が増加しているという。

「内斜視の原因はいくつかあり、生まれつきのもの(先天性)、遠視が原因で起こるもの(調節性)、

脳の疾患や近視などが原因で大人になってから起こるものなどがあります。

これらとは異なる内斜視が、近年若者世代で増加しています」

急性内斜視が増加した外的要因はまだ不明だ。

しかし、スマートフォンやタブレット端末、携帯ゲーム機の過剰使用が影響している可能性が考えられている。

小児は、視力が発達する感受性期でもある。この時期に長時間スマホを見ることは発達にも

影響を及ぼし、急性内斜視や近視などの眼の疾患を発症する可能性もある。

内斜視の初期段階は、本人は「ちょっと見えづらい」くらいで不自由感が少なく、

周囲の大人も斜視に気づかない場合もあるという。

「いつもとちょっと視線が違うときがある、物を見るときにウインクするように片目をつむる

などが内斜視の注意信号です。気付いたら眼科を受診しましょう」

急性内斜視の治療は、比較的軽い場合は斜視の角度に合わせた斜視用眼鏡で調整する。

より症状が進むと手術となる。眼を動かす筋肉(外眼筋)の位置を変えて、眼球の

引っ張り具合のバランスを調整し、目の位置を矯正するのだ。

筋肉の数は限られており、繰り返し何度も手術することはできない。

そして、手術を行なったとしても、生活習慣を見直さないかぎり再発リスクは伴う。

「スマホやタブレット(端末)の利用時間は、小学生以下は一日1時間以内、

中学生は2時間以内というのを一つの目安にしています。

保育園の子どもに2時間も3時間もスマホを持たせるのは絶対に良くない。

スマホやタブレットとの距離は30センチ以上離す。そして30分使ったら5分以上休憩」

とはいえ、いきなりスマホの使用時間を制限すると、子どもは反発するだろう。

子どもがスマホを見ている間に仕事や家事をこなす親にとっても大問題だ。

老眼になった大人も注意

「このスマホ斜視、子供や若者に増えて社会問題になっているのですが、

実は案外多いのが老眼になった大人。老眼になって遠近両用の眼鏡やコンタクトを使うようになった人が、

スマホを長時間見るうちに眼鏡やコンタクトを外し、裸眼で見ることで起こります。

遠近両用の眼鏡やコンタクトは、手もとでも20〜40cmの距離でピントが合うようになっています。

ドラマなどに熱中してスマホを近づけると見づらくなりますから、眼鏡やコンタクトを外してしまいます。

特に、もともと近視の人は、近くのものは見えるのではずしてしまいがち。

すると、スマホ内斜視やスマホ外斜視に陥りやすくなるのです」(梶田先生)。

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